朗読タイムレスストーリーシリーズは、主に明治、大正、昭和時代の小説や随筆作品を、朗読を通して現在に描き出す朗読公演。2023年7月に第一弾、山本周五郎『季節のない街』を渋谷SACSにて上演。「徳永直『こんにゃく売り』岡本かの子『みちのく』」はその第二弾。
今回は、『太陽のない街』などで知られる労働者出身のプロレタリア作家、徳永直による小学校時代の自伝的小説『こんにゃく売り』と、岡本太郎の母で、歌人・仏教研究家としても活躍した作家、岡本かの子による東北の福の神「四郎」にまつわる恋の物語『みちのく』を二本立てで上演する。朗読は俳優の長尾奈奈が務める。
いま私たちが話さない〈ことば〉。いまも暮らしのなかで話す〈ことば〉。それぞれの作家が、その時代に紡いだ〈ことば〉に込めた思いとは何だったのか、共に思う時間を味わってみては。
また、当日は日本近代文学館にて「プロレタリア文化運 動の光芒」、併設の川端康成記念室にて「川端康成 が見出した作家たち」の展覧会最終日(別途拝観料一般300円、中学生・高校生100円))。
徳永直「こんにゃく売り」
徳永直が幼少時代に体験した回顧録。少年は家が貧しく、ときに学校を休んでこんにゃく売りをしていた。水を張った桶は重く、往来で同級生たちに見られるのも恥ずかしい。ある日、犬に噛みつかれ、桶ごとひっくり返ってしまう。その時、「オイ、徳永くん」と耳元で云ったのは同級生の林茂君であった…。
岡本かの子「みちのく」
東北の城下町に講演で訪れた「私」は、町の写真館に飾られた少年の写真に惹きつけられる。それは「四郎馬鹿」と呼ばれた少年であった。町の人たちから四郎の生い立ち、殊に呉服店の娘、お蘭との睦まじい恋情を聞いた「私」は、いつしかお蘭を探そうとする…。
本作は11月25日、東京・日本近代文学館で上演される。
詳細は公式サイトで。
https://roudoku.talker.jp/timeless_story2/
(文:エントレ編集部)
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朗読タイムレスストーリーシリーズ②
徳永直『こんにゃく売り』岡本かの子『みちのく』
【作】徳永直、岡本かの子
【出演】長尾奈奈
【主催】ROUDOKU.TALKER.JP
【協力】株式会社 仕事
2023年11月25日(土)/東京・日本近代文学館