現代演劇の旗手として国際的に活躍する岡田利規(チェルフィッチュ主宰・劇作家・演出家)が、現存する世界最古の舞台芸術「能」に触発された新作を、日本の俳優たちと共に創作する。
構想中の演目は、ザハ・ハディドをシテにした『挫波』。
そして、高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる『敦賀』。
出演は森山未來、片桐はいり、栗原類、石橋静河、太田信吾/七尾旅人(謡手)。音楽監督・演奏は内橋和久が手掛ける。
『挫波』―2012 年に新国立競技場の設計者としてコンペで選ばれ、日本でも一躍脚光を浴びた天才的な建築家「ザハ・ハディド」。後にその採用を白紙撤回され、その後失意のうちに没した彼女が、2020 年の千駄ヶ谷に現われる。
『敦賀』― 1985 年の着工以来1兆円を超す巨額の資金が投じられながら一度も正式稼動することなく廃炉の道を辿る高速増殖炉「もんじゅ」。夢のエネルギー計画を実現するべく、希望を抱いて「もんじゅ」の設立・計画にかかわってきた人々の思いが、もんじゅを臨む敦賀の浜辺に現れる。
社会とその歴史は、その犠牲者としての未練の幽霊と怪物を、ひっきりなしに生み出して来て、今だって生み出し続けています。
わたしたちはそれら幽霊や怪物のことを見ないこと忘れてしまうことを、その気になればできちゃうし、そのほうが快適な向きは確かにある。
でもそれらに、つまり直視しないこと忘却することに、抗うために、能という演劇形式が持つ構造を借りて、音楽劇を上演します。
本作は6月3日(水)から神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 で上演される。その後、豊橋、新潟、兵庫で上演される。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
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KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース 『未練の幽霊と怪物』
【作・演出】岡田利規
【音楽監督・演奏】内橋和久
【出演】森山未來、片桐はいり、栗原類、石橋静河、太田信吾/七尾旅人(謡手)
2020年6月3日(水)~6月24日(水)/神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場
2020年6月27日(土)・28日(日)/豊橋・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
2020年7月1日(水)/新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
2020年7月4日(土)・5日(日)/兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール