【役者コラム006】緊張しても大丈夫!審査員から見たオーディション面接の受け方
【役者コラム006】緊張しても大丈夫!審査員から見たオーディション面接の受け方【役者コラム006】緊張しても大丈夫!審査員から見たオーディション面接の受け方
皆様こんにちは!
楽劇座の五條なつきです。
ほとんどの役者の皆様は、オーディションを受けた事があると思います。
目的はその時によって違いますが、役を勝ち取るため、事務所や劇団に所属するため…今後の自分を左右するオーディションは、どうしても毎回緊張してしますよね。
私も役者なので、オーディションを受ける立場です。でも最近は、ローズセラヴィのプロデュース公演でアドバイザーを務めさせて頂く機会があり、その関係でオーディションを審査する立場になる事も増えました。
オーディションを「審査する」立場になってみると、「受ける」立場だった時には見えなかった事が見えてきます。考えてみれば当たり前の事ばかりなのに、オーディションを受ける時にはついつい緊張のあまり忘れがちになってしまう事に気が付きました。
私も「役者になったばかりの頃に(オーディションを受け始めた時に)意識しておけば良かった!」と思う事があったので、今回の役者コラムは、審査員を経験した私から見た『オーディションの面接の受け方』について書かせて頂きます!
今回もどうぞお付き合い下さい。
募集要項をよく読んで応募しよう
募集要項をよく読んで応募しよう【応募】
多くのオーディションでは、面接審査の前に「書類選考」がある事がほとんどです。書類選考を通過するためには、もちろん写真や書類をしっかり準備して応募する事が大切!
必ずオーディションの「募集要項」をしっかり読んで応募しましょう。
もちろん募集元のHPを隅々までチェックしたり、可能であれば事前に公演を観に行ったり、過去の作品を確認しておく等、募集元の団体について事前に調べておく事も大切です。
・何の為のオーディションなのか?
特定の役柄?それとも事務所や劇団に所属するため?オーディションの目的を理解した上で応募書類を用意しましょう。
・応募に必要なものを確認する
どんな写真が何枚必要なのか?応募書類には何を書くのか?焦って応募したのか、抜けがある方も時々いらっしゃいます。
また連絡先等は間違いのないよう、応募前に誤字脱字もしっかり確認しましょう。
書類選考を通過すれば、いよいよ面接です。面接当日に気をつけたい事をチェックしていきましょう!
面接当日に気をつけたい事
女性の場合、メイクはナチュラルメイクで【身だしなみ】
基本的には自分が綺麗に見える、自分らしい服装がいいと思います。
もちろん指定があればそれに従いましょう。「スタイルが分かる服装で」と指定されているのにダボっとした服で行く、「動きやすい服装で」とあるのに高いヒール靴で行く…というのはダメですよ!
女性の場合、メイクはナチュラルメイクで。学生さんで普段お化粧をしていない場合は無理にメイクをしなくても大丈夫です。あまりに派手なお化粧だとメイクの印象が強くなりますので、キャラクターをアピールしたい等の強い狙いがない限りは基本的に避けた方が無難だと思います。
【あいさつ】
オーディションの時は緊張されるのか、意外と基本的なあいさつを忘れてしまう方が多いように思います。
「よろしくお願いします。」
「ありがとうございました。」
少なくとも、このふたつの挨拶は忘れないようにしておきましょう。
審査員も人間なので、挨拶もしない人よりは礼儀正しい人の方に好感を持ちます。特に緊張しやすい人は自分では気が付かないうちに表情が硬くなって、そんなつもりはないのに無愛想に見えてしまう人も…。
最初と最後に立ち上がってしっかり礼をする。それだけでも好印象ですよ。
【面接】
オーディションを受ける人が緊張している事は審査員も分かっているので、緊張は無理に隠さなくても大丈夫です。大きな声でハキハキと話す事を心がけましょう。
名前と所属先(事務所や劇団に所属していれば)の他にも、自分がどんな人か審査員に短い言葉で伝えられるよう、事前に考えておくとスムーズに言えると思います。
「絶対頑張ります!」とか「観る人に元気を与えたい」「お客さんに笑顔になって欲しい」等の定番の言葉は皆さん仰るので(笑)、あまり審査員の印象に残らないかもしれません。自分らしいエピソードがひとつあると覚えて貰いやすくていいかもしれませんが、派手な自己紹介にしようと無理に頑張らなくても構いませんよ。
緊張してスラスラ喋れなかったとしても、自分の言葉でしっかりと「自分がどんな人間で、どんな思いでこの場にいるのか」を真摯に伝えて下さい。
【特技】
ほとんどのオーディションでは「特技披露」を求められます。苦手な人も多いのではないでしょうか?
でも、何かひとつ「道具を使わないで出来る特技」を持っておいた方がいいです。
貴方にとっては1回のオーディションでも、審査員は1日のうちに何十人、何百人という人を審査しています。正直に言うと、途中で誰がどんな人だったか分からなくなってしまうぐらい沢山の人と会うのです。
その時に印象に残るためには、実はこの「特技」がとても大事です。後から審査する時に<特技であれをやった子>と思い出しやすくなるのです。
もちろん絶対的に自信のある特技があれば理想的ですが、審査員からすればその人がどんな人かを知りたいという目的の方が大きいので、小さな特技でも恥ずかしがらずに披露しましょう。
何もやらないよりは何かをやった方が絶対にいいので、自分では「こんな事、特技なんて言えない…」と思う事でも思い切ってやってみて下さい。
ただ、審査時間には限りがあります。歌や踊りを丸々1曲分披露するつもりだったのに途中で止められてしまった…なんて場合でも落ち込む必要はありません。大抵は時間の都合です。出来れば、サビなど自分の得意な部分だけを披露する等、短時間でもアピールできるように事前に考えておきましょう。
遅刻・欠席する場合は必ず連絡を
【大切なアドバイス】
オーディション面接の日時に、急病や交通事情など、やむを得ない事情で面接に遅刻・欠席する場合は必ず連絡を入れましょう。
もちろん指定の日時に行ける事が1番ですが、場合によっては別の日程を案内して貰えるかもしれません。
役者に限らず社会人の常識として、連絡がない無断欠席や遅刻はマナー違反です。「行けない」「遅れる」と分かった時点で早めに連絡して下さいね。
そしてもうひとつ、必ず覚えておいて頂きたい事があります。
それは「面接以外の時間も、しっかり見られている!」という事。
もし自分が審査員なら…と想像してみて欲しいのです。もし面接が完璧でも、審査員以外の前で態度がガラリと変わる人と一緒に仕事をしたいと思いますか?
「会場に入ってから出るまでがオーディション」だと心得ておきましょう。
とあるドラマのオーディションでは、なんと面接を待つ間の様子をチェックする担当のスタッフさんもいらっしゃったそうです。面接を待っている時間や帰り際もチェックされているかもしれませんから、最後まで気を抜かないで下さいね!
まとめ
以上、今回の「オーディション面接の受け方」いかがだったでしょうか?
「そんなの当たり前じゃん!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも審査員の立場になって初めて分かったのですが、緊張すると意外とその当たり前が出来なくなってしまう方がとっても多いんです。
私も改めて審査員の目線から見てみると、もったいないな…と感じたり、自分でも昔にこれを知りたかったなぁ…と感じる事が多かったので、今回のコラムを書かせて頂きました。
オーディションで面接を受ける時はどうしても緊張して自分の事でいっぱいいっぱいになってしなうと思います(私もその気持ち、よ~く分かります!)。
でも、心の片隅で構わないので「自分が審査員だったら、今の私をどう見るかな?」と客観的な目線を持ってみて下さい。
きっと自分の行動ひとつひとつを見直せますし、何より少し冷静になって、落ち着いて面接にチャレンジする事が出来ると思いますよ。
皆様が悔いのないようにオーディションに挑む事が出来ますように。
今回もお読み頂きありがとうございました!
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(文:五條なつき ※文章・写真の無断転載を禁じます)