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観劇初心者のための舞台チケットの買い方と当日のマナー

観劇初心者のための舞台チケットの買い方と当日のマナー

舞台観劇をしてみたいけど、何をどうしたらいいのかわからない…
という思いから、重い腰が上がらない、そこのあなたのために!!

観劇に必要なキホンの手順やルールをご案内します!

~筆者について~
貴重なお時間をいただいて恐縮ですが、少し私の自己紹介を。
いつから好きなのかわからないほど幼い頃から舞台観劇は生きがいでした。
人生の教訓をたくさん与えてくれる、演劇は私の先生です。
そんな演劇の素晴らしさ、舞台観劇からしか得られない人生経験の大切さを伝えたい、もっと劇場に足を運ぶ人が増えてくれたら嬉しいなと思っていたとき、“文章で作品の魅力を発信する”というご縁に恵まれました。
誰か、今これを読んでくださっているあなたにしか響かなかったとしても、私の言葉で誰かの背中を押す、人生を変えるきっかけを提供することができるならば、これほど光栄なことはありません。少しでもお役に立てますように。
越前葵

1. 作品との出会い

舞台観劇はハードルの高い趣味だと思われているような気がするのですが、決してそうではありません。
確かにチケットを取るまでの道のりは長めですし、近年チケット代は高騰していますし、劇場まで足を運ばなければいけないという部分にハードルを感じるのだと思います。ですが、チケットの取り方はリサーチ力と運、チケット代は座席や販売元により様々、劇場まで行かなくてもライブ配信などもある、という感じで舞台に触れる方法はたくさんあります。
舞台を観るための努力は少なからず必要になりますが、この努力を乗り越えた先でしか感じることの出来ない経験や感動があるので、ぜひ一歩を踏み出していただきたいです。

「あの俳優さんを舞台で観てみたい」
「あの作品が舞台化するの…!?」
「初演の評判が良かったから再演はぜひ観たい」etc.

作品に出会うきっかけは、上記に一例を書いたように何でもいいと思います。
ちなみに私は、劇団☆新感線TEAM NACS宝塚は団体としてファンなのでチケットが舞い降りて来ればすべての作品を1回は観たいと思っています。(公演地域などによっては諦める場合もある)
あとは基本的にフィーリングで決めています。“推し”の役者さんが出演するとしても、残酷な描写が多く気持ちが落ち込みそうな作品は苦手なので選びにくいですし、逆に、非現実を味わえそうな楽しい作品を常に探している気がします。私ごとを話し出すと数日かかるのでやめますけれども、勘・フィーリングは結構大事だと思います。

2. チケットの買い方/良席(前方席の買い方)

各種プレイガイド等でチケットの取り扱いをチェックする。

気になる公演の公式サイトの「チケット」ページ

を見れば、「いつから、どのプレイガイドで、どんな方法(抽選・先着)で発売するのか」が記載されているのでチェックしてください。
本当は上演の情報が解禁された段階から戦いは始まっているので、開幕初日の半年くらい前からリサーチしていて欲しいのですが、初めて舞台を見る方には難しいことだと思います。
とりあえずその好奇心を大切に、思い立ったが吉日ですので、今すぐダッシュで公式サイトへGO。

そもそもプレイガイドとは。

各種イベントのチケット販売を受け持つ、いわば窓口。演劇を上演するカンパニーが直接チケットを売るのではなく、プレイガイドと呼ばれるチケット販売を専門とする業者にチケットを預けて発売されています。さほど数は多くないです。

・チケットぴあ(https://t.pia.jp/)、
・イープラス(https://eplus.jp/)、
・ローソンチケット(https://l-tike.com/)などが代表的なプレイガイドです。

「先行販売」と「一般発売」

舞台のチケットには、「先行販売」と「一般発売」という種類があります。

「先行販売」とは、各種プレイガイドの年会費等有料コンテンツに入っている方や主催劇場・カンパニーのFC(ファンクラブ)に入っている方が、一般より一足早くチケットを買えること(テーマパークの系列ホテルに泊まると一般客より数分早く入園できる、みたいなことです)。「先行販売」は抽選で販売されることが多いです。

また、「一般販売」は抽選ではなく先着での販売が多いです。

「先行抽選販売」なのか、「先着販売」なのか。そして「一般販売」がいつなのか。これは各作品の公式サイトよりも、各種プレイガイドを確認するほうが情報はわかりやすいと思います。

そのほか、
・各出演者ファンクラブ先行

・劇場先行
   ・Bunkamura(https://www.bunkamura.co.jp/ticketguide/t_event.html)
   ・東京芸術劇場(https://www.geigeki.jp/ti/)
   ・梅田芸術劇場(https://umeda.pia.jp/)
   ・博多座(https://hakataza.e-tix.jp/pc/hakataza.html)

・公演主催者による先行
   ・東宝(https://stage.toho-navi.com/)
   ・ホリプロ(https://horipro-stage.jp/)
   ・宝塚歌劇(https://kageki.hankyu.co.jp/friends/index.html)
   ・劇団四季(https://www.shiki.jp/tickets/)
   ・劇団☆新感線を手掛けるヴィレッヂ(https://fan.pia.jp/vac/)

上記以外にも、旅行会社がツアーとして販売してたり、生協(各大学・地域)で販売していたり、様々な種類があります。

良席を手に入れるには

基本的には、主催劇場やカンパニー、主演級の役者さんのFC(ファンクラブ)が前方席を確保されている印象です。
そして、FC(ファンクラブ)でも各プレイガイドでも、それぞれが持っている中で前方の席から先行販売に出し、購入が遅くなるほど、同じ値段でも後ろの方の席になるということはあると思います。
ちなみに筆者はあまり前方席にこだわるタイプではないので、すべて伝聞情報であると思っていただけるとありがたいです。(前方よりも、『推しが近くを通る』『ステージが見切れない』『好きな場面がしっかり見える画角』などを良席、もしかしたら推しの視界に入ってしまうかもしれないほどの前方席を神席と呼んでいます。笑)

リセールサービス

チケットを購入したものの、都合により観劇が出来なくなった方が、代わりに観劇できる方を探すための仕組みがあり、これをリセールサービスといいます。どうしても自分の力でチケットが手に入らなかった時にリセールサービスを通じて、どなたかが売却したチケットを購入できる場合があります。

・チケトレ(https://tiketore.com/)
大手リセールサービスで、公式として公認している主催者が多い印象です。
ご利用ガイドはサイトに記載されているので詳しくはご確認ください。

・おけぴネット(https://okepi.net/top)
リセールだけでなく、チケットの交換も掲載。
基本的に売り手が自ら掲載しているため、見ず知らずの人とやりとりをする必要があり、トラブルもたまにあるようなので注意。
おけぴが主催する貸切観劇会が開催されたりもします。

世の中には正規の値段ではない高額料金で人気公演を売る“転売”という行為も存在します。「どうしても観たい」というお気持ちはわかりますが、正規以上の値段で購入した“転売”チケットでは入場出来ない場合も増えているのでお気をつけください。というか“転売”はやめてください。

3. 一般販売後にもチケットはある(かも)

当たり前の話ですが、人気作品ほどチケットは瞬時に完売します。テレビなどで宣伝を始めたときにはもうほぼ完売していると思ってもいいくらいです。…が、諦めないでください!まだチャンスは存在します!!

・当日券、キャンセル待ち(取り扱いの有無、発売方法は作品によって違うので公式HPをご確認ください)
・追加日時公演の発表
・見切れ席の発売(前列すぎる、サイドすぎる、舞台セットの都合などにより一部場面が見切れる)
・補助席の発売(本来座席のない場所に座席を追加する)
・U-20、U-18など年齢制限あり
・団体チケットのキャンセルが出た場合
・機材席の解放(ライブ配信やDVD収録カメラの近くの席)

という特殊形態でのチケットの発売がたまにあり、まだ残っている可能性があります。

しかも、見切れ席と年齢制限ありのチケットは通常より舞台の見え方は良くない可能性はあるものの、チケット代は安いことが多いので座席にこだわりがなければ結構穴場。
そのほか、近年は劇場に行かなくても、

・Streaming+(https://eplus.jp/sf/streamingplus/play)
・PIA LIVE STREAM(https://t.pia.jp/streaming)
・Rakuten TV(https://tv.rakuten.co.jp/)

など、自宅はもちろん移動時間にもパソコンやスマホで舞台を見ることができますし、
LIVE VIEWING JAPAN(https://liveviewing.jp/)など、最寄りの映画館でライブ配信を見ることができたりもするので、ぜひ気になる作品の配信があるか否かもチェックしてみてください。

座席の種類や場所の振り分けは公演によって様々なので、作品または劇場の公式サイトをご確認ください。

4. 観劇当日

観劇マナー

時間に余裕を持って来場を!

パンフレットや公演グッズなどの物販が並ぶことを予想して、気持ち早めに来場することをオススメします。開場時間は作品によるので要検索ですが、基本的には開演45分~1時間前には劇場ロビーに入れると思います。
最近は、ロビーが作品の雰囲気に飾られていたり、当日の出演キャストが掲載されたボードの展示があり、その付近が大人気になることも多いので、劇場ごと楽しみ尽くしたい方は早めの行動を。

開演前の撮影OK&NG!
宝塚や劇団四季の一部舞台など、開演前に舞台上(主に幕)の撮影がOKな作品があります。撮影OKであれば観劇の思い出になるので、作品のHP・SNSや劇場内のアナウンスにてご確認ください。
逆を言えば最近は、「客席内撮影NG」というアナウンスが流れているにも関わらず撮影をされている方も多く、スタッフさんにご注意を受けている方、スタッフさんが気がつけずに野放しになってしまっている方をよく見ます。知らないままSNSなどにアップしてしまうと問題になりますし、手元に持っておくだけでもNGなものはNGですので、作品ごとにルールはしっかり守りましょう。

周りに迷惑をかけない行動を!
上演中に隣の人と会話をしない
「体調が悪くなった」など、やむを得ない状態を除いて会話はやめましょう。公演の感想は終演後に思う存分語り合ってくださいませ。

背もたれに背中をつけて見る
前のめりになる、左右に身体をずらす、などは周辺のお客様の視界の妨げになります。観劇は、たくさんの方と同じ景色を共有する時間。誰かの大切な体験を妨害してしまう行為はやめましょう。

スマホの電源は切る
圏外になっている劇場もありますが、基本的にはスマホの電源を切ってください。観劇中にスマホのバイブ音が聞こえたり、着信音がなったり、光を発すると周りのお客様のみならず役者さんにもご迷惑になります。最近、役者さんが自らSNSでご注意をされているのをお見かけして悲しく恥ずかしい気持ちになりました。

何をするにも静かに
諸事情によって開演後に客席内に入ることになった場合は、スタッフさんのご案内にしたがい、観劇中のお客様のご迷惑にならないように身をかがめ、音を立てずに、なるべく目立たないように、着席していただきたいなと思います。

服装

舞台=ドレスコードありだと思われている方もいるかもしれませんが、外に出て恥ずかしくない格好・着飾りすぎず、動いても音が出たりしない(周りに迷惑をかけない)格好ならOKです。強いて言うなら、ライトを強く浴びる役者さんのために季節問わず温度設定が涼しい劇場が多いので、軽く防寒できる用意はあったほうがいいのでは?とは思います。

飲食

劇場内で飲食OKの場合とNGの場合がありますので、劇場HPまたは当日のアナウンスを聞いてください。劇場周辺に飲食店が充実している場所もありますし、劇場内にカフェや売店が併設されている場合も多々ありますので、調べてから向かうのがオススメ。その公演でしか飲食できないコラボメニューが用意されていたりもしますよ♪

お手洗い

劇場内にお手洗いはありますが、基本的に混みます(主に女性)。開演ギリギリに行っておきたいというわけでなければ、劇場近場のお手洗いで済ませておくことをオススメします。
ちなみに幕間は、チケットさえ持っていれば劇場外のお手洗いに行くことができる場合もありますので、当日アナウンスを聞いていただければと思います。


 
以上、観劇のキホンをご紹介いたしました。貴重な時間を割いてお読みくださったあなたにとって有益な情報がひとつでもあればうれしいです。
舞台観劇はハードルの高い趣味だと思われている方にとっては厳しいことも多く言ってしまったかもしれません。ですがどの環境に行くにも、その場所に馴染むためのルールは必ずあります。せっかく舞台を観たいと思ってくださったあなたの苦しくない範囲で、その好奇心が色鮮やかに羽ばたいていけますように。

(文:越前葵

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