《風姿花伝プロデュース》は、女優・那須佐代子が支配人を務める「シアター風姿花伝」によるプロデュース公演。
『日本演劇界で活躍する俳優・スタッフ陣での密度の高い演劇作品の創作』をモットーに制作を重ね、これまで多くの賞を受賞するなど、高い評価を得てきた。
vol.1『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』
第22回読売演劇大賞 優秀作品賞 / 最優秀演出家賞(上村聡史)/ 優秀女優賞(増子倭文江)
vol.2『悲しみを聴く石』
第23回読売演劇大賞 最優秀スタッフ賞(乘峯雅寛)/ 2015 年度日本照明家協会奨励賞(松本大介)
vol.3『いま、ここにある武器』
第24回読売演劇大賞 優秀演出家賞(千葉哲也)/ 優秀男優賞(千葉哲也)
vol.6『終夜』
第45回菊田一夫演劇賞(岡本健一)
7度目となる今回の演出は、シアター風姿花伝のレジデント・アーティストであり気鋭の演出家として活躍を続ける上村聡史。
イギリスの劇作家ニコラス・ライトの『ミセス・クライン』(原題『Mrs KLEIN』)を日本で初めて上演する。
『ミセス・クライン』は実在の精神分析学者メラニー・クラインをモデルに書かれた作品。
ミセス・クラインはフロイトに影響されて精神分析を学び、児童の精神分析の臨床研究における第一人者となった人物で、彼女自身の子供たちをも研究対象としていた。娘のメリッタは母と同業の精神分析学者になったものの、母の学説を激しく批判し反対する立場をとった話は有名で、この作品もその母と娘の断絶をベースに書かれている。
出演はミセス・クライン役の那須佐代子、娘のメリッタ役の伊勢佳世、同じく精神分析学者でクラインの信奉者であるポーラを演じる占部房子の三人のみ。
ミセス・クラインの息子でメリッタの弟であるハンスが、山で事故死した数日後のある一晩の出来事を描く。
舞台は1934年・春のロンドン。大陸ではファシズムが台頭し、ユダヤ人が迫害され始めていた頃。精神分析学の第一人者ミセス・クラインの職場兼自宅居間。
ミセス・クライン(那須佐代子)は、ユダヤ人の精神分析医でドイツから逃亡してきたポーラ(占部房子)を迎え、一時の秘書として雇う相談をしている。早速仕事に取りかかる約束をポーラと交わし、ミセス・クラインはハンガリーの山岳事故で無くなった息子ハンスの葬儀に出席するため、この日の夜ブダペストに旅立つ。
ミセス・クラインが旅だった後、仕事中のポーラのもとに、ミセス・クラインの娘でこれも精神分析医のメリッタ(伊勢佳世)がやって来る。メリッタは、母は何でもコントロールしないと気が済まない性格であるとポーラに語り出す。更に、母は同業の権威者でもあるので、母娘の関係は相当に屈折していることがわかる。
そして、ここにやってきた理由は弟ハンスの死について母に宛てて書いた手紙を取り戻すためだと語り出す…。
本作は12月4日(金)から東京・シアター風姿花伝で上演される。
チケットの一般発売は10月25日(日)から。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
風姿花伝プロデュース vol.7『ミセス・クライン Mrs KLEIN』
【作】ニコラス・ライト
【翻訳】小田島恒志/小田島則子
【演出】上村聡史
【キャスト】那須佐代子/伊勢佳世/占部房子
2020年12月4日(金)〜12月20日(日)/東京・シアター風姿花伝
公式サイト
風姿花伝プロデュース vol.7『ミセス・クライン Mrs KLEIN』
チケットの一般発売は10月25日(日)から。