怖がらせておいて笑わせる! 白石加代子「百物語」アンコール公演第三弾/11月15日から全国ツアー公演
白石加代子「百物語」フライヤー白石加代子「百物語」アンコール公演第三弾が11月15日(日)の越谷公演を皮切りに全国で上演される。白石加代子『百物語』シリーズ
は、1992年6月岩波ホールでスタート。2014年に九十九話を話し終えて完結したが、
九十九話を語り終えて、当初は肩の荷がおりて、すっきりしたのだけれど、時を経て次第に、まるで愛を失ったかのような想いに襲われたの。
(本人談)
という白石本人の思いから、アンコール公演が始まった。
第三弾に当たる今回は、以下の4つを上演する。
夢枕獏「ちょうちんが割れた話」
「百物語」は、この話から始まった。真っ暗な中から声。その声は舞台を右に左にと動いている。お盆の日、「おばさんが来てるよ」と孫が言う。そんな馬鹿なとみんな笑う。すると、ちょうちんがバカリと割れる。灯りがつき、白石加代子、ああ、怖い。
筒井康隆「如菩薩団」
「百物語」の最多登場が筒井康隆である。そしてこの第一夜に登場した「如菩薩団」が、まさにそれからの「百物語」の方向を決定づけた。つましい生活を強いられている団地の主婦たちが、連れ立って高級住宅街にやってきた。なんのために。品のいいインテリの彼女たちは、世間を騒がせている女盗賊団だったのだ。その家には超セレブの若い奥様と田舎出の超下品な女中がいた。つつましく丁寧なやり取りで行われる、極悪非道の殺人、盗んだのは野菜や肉といった食料品と、財布にあったわずかな小銭。まさにこれぞブラックユーモアの極み。笑って笑って、ぞっとする。
半村良「箪笥」
「百物語」の第一の人気演目といえば、文句なしにこの「箪笥」である。舞台の上のにこやかな白石加代子が、体をふっとゆらすとあっという間に老婆になって能登弁で語り始める。すると、お客はたちまちその不思議な世界へと連れ去られ、息もできずに聞き入っている。カタン、カタン、カタン、それは箪笥を運ぶ音。カタン、カタン、カタン、という擬音に導かれ、家族のだれもが箪笥の上で眠るようになる。「これは日本版の吸血鬼の話なんです」と鴨下信一。「だから、箪笥は吸血鬼の入るお棺なんです」。家族のみんながその箪笥の上。恐怖に耐えられなくなった家の主は、逃げ出してしまう。それから・・・この話は一体、どこへたどり着くのか。この話はどうしてこんなにドキドキさせられるのだろうか。
和田誠「おさる日記」
伝説の第一夜に、豪華なおまけは 第十三夜より、和田誠「おさる日記」。短いけれど、インパクトは十分。話が終わって、一瞬、劇場は沈黙に包まれ、次の瞬間、どっと笑いが起きる。
また、現在「百物語」シリーズ 筒井康隆作「五郎八航空」と、 浅田次郎作「鉄道員(ぽっぽや)」がYouTubeで無料配信されている。「鉄道員(ぽっぽや)」は10月30日までの期間限定公開だ。
本作のチケット情報など公演詳細は公式サイトで。
https://ml-geki.com/hyakumonogatari/
(文:エントレ編集部)
白石加代子 「百物語」
アンコール公演第三弾
・夢枕獏「ちょうちんが割れた話」
・筒井康隆「如菩薩団」
・半村良「箪笥」
・和田誠「おさる日記」
【構成・演出】鴨下信一
【出演】白石加代子
2020年
11月15日(日)18:00 越谷コミュニティセンター(サンシティホール)小ホール
11月21日(土)14:00 山口県立劇場 ルネッサながと
11月24日(火)19:00 川西町フレンドリープラザ
11月26日(木)18:00 仙台市/電力ホール
11月28日(土)19:00 北見市端野町公民館・グリーンホール
11月30日(月)19:00 札幌市/道新ホール
12月2日(水)19:00 釧路市生涯学習センター(まなぼっと幣舞)
12月5日(土)18:00 横須賀芸術劇場/ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
12月7日(月)19:00 京都府立文化芸術会館
12月9日(水)18:30 兵庫県立芸術文化センター・阪急中ホール
12月12日(土)15:00 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場
12月17日(木)18:30 練馬文化センター 小ホール
12月26日(土)17:00 府中の森芸術劇場ふるさとホール
12月28日(月)・29日(火) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
2021年
1月16日(土)16:00 江東区亀戸文化センター カメリアホール
1月18日(月)15:30 シアター1010
1月23日(土)16:00 つくばカピオホール
公式サイト
白石加代子「百物語」公式サイト