5月13日(土)から上演の始まった、ジョン・パトリック・シャンリィさんの作、藤田俊太郎さんの演出による舞台「ダニーと紺碧の海」。本作のゲネプロ(本番同様にやるリハーサルのこと)にお邪魔させて頂いた小暮智美(青年座/On7)です。
舞台「ダニーと紺碧の海」土井ケイト 撮影:志田彩香
お話しは、
アメリカのあるバーで初めて出逢った男女の二人芝居。
ダニー(松岡昌宏さん)とロバータ(土井ケイトさん)は強烈なコンプレックスにまみれながら生きている、言わば社会生活を器用にこなせない二人。
そんな刺々しい二人が出逢い、ぶつかり、心を通わせ、傷つき、けれども最後の最後で勇気を振り絞り、自分と戦い、相手の為に自分の為に、次の瞬間へ踏み出していく…痛々しくも愛しい人間達の姿が描かれている、というものです。
舞台「ダニーと紺碧の海」土井ケイト 撮影・写真注釈:志田彩香
衣装は小林巨和さん。ロバータが服を着替えるたびに、表情がスイッチしていくようだった。激しかったり、妖艶だったり、ころころと変わる表情がダニーの心を少しずつ開いていく。
皆さんに体感してほしいのは、幕が上がり、二人が言葉を発するまでの時間です。
何が始まるのだろうと、もしかしたら観劇中で一番ドキドキした時間だったかもしれない…。
舞台「ダニーと紺碧の海」土井ケイト 撮影・写真注釈:志田彩香
水や飲み物が、感情のたゆたう様子とリンクしているようにも感じられた。
そんなドキドキする始まりから物語はスタートし、本当に二人しか舞台上には出てきません。二人芝居だから当たり前ですが(笑)
ダニーとロバータの目眩く関係性の変化と魂のぶつかり合いに注目してほしいです。二人見つめ続けていると、不器用過ぎて、滑稽にも思えるのです。
恐らく初日をあけてお客さんの前で回数を重ねれば重ねるほど、その強度は増していくであろうと確信します。
一時も眼を離すことなく、ダニーとロバータの闘いを客席から見守っていてほしいです。
舞台「ダニーと紺碧の海」出演の土井ケイト、演出の藤田俊太郎 撮影:志田彩香
舞台「ダニーと紺碧の海」
【作】ジョン・パトリック・シャンリィ
【翻訳】鈴木小百合
【演出】藤田俊太郎
【出演】松岡昌宏 土井ケイト
2017年5月13日 (土) ~2017年5月21日 (日) /東京・紀伊國屋ホール
2017年5月27日 (土) ~2017年5月28日 (日) /兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式サイト
舞台「ダニーと紺碧の海」