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主演は元宝塚トップスター珠城りょう!脇を固めるのは屋良朝幸、原嘉孝ら実力派俳優陣!ミュージカル『天翔ける風に』囲み取材&観劇レビュー!

ミュージカル『天翔ける風に』 撮影:藤井光永 ドフトエスキーの『罪と罰』が野田秀樹、謝珠栄を経てミュージカル化!
『天翔ける風に』囲み取材&観劇レビュー!

 9月29日(金)に開幕したミュージカル『天翔ける風に』。本作はドフトエスキーの小説『罪と罰』をもとに野田秀樹氏が幕末の日本を舞台に描いた『贋作・罪と罰』を謝珠栄氏がミュージカル化し2001年の初演から何度も再演され続けてきた人気作品!今回更にパワーアップしリニューアル上演されます。本番直前の囲み取材・公開舞台稽古に行ってきました!
主演は宝塚歌劇団後、初のミュージカル出演となる珠城りょうさん。物語は珠城さん演じる理想を夢見て江戸開成所に通う塾生 三条英が「彼女以外は全て男」という社会で孤軍奮闘し生きる姿を軸に描かれます。英は、貧しく生活が苦しい人々から法外な利息を取る高利貸しの老婆を殺害しようとしますが、偶然居合わせた老婆の妹も殺してしまいます。この予想外の殺人が英の人生を大きくかき乱していきます。英と同じ志を持つ屋良朝幸さん演じる才谷梅太郎は、そんな英を陰ながら心配しますが、彼もまた時代の大きな流れの中心にいる人物でした。

冒頭、重厚な音楽と暗闇に映し出される珠城さん演じる三条英の凛とした佇まいに息をのみます。場面転換がテンポよく、喧嘩のシーンは動きがコミカルで思わず笑みがこみ上げました。原作は「罪と罰」という重めの題材で、苦悩する様子やシリアスなシーンが多いもののユーモアあふれるシーンや迫力ある殺陣やアクションを伴うシーンも散りばめられ、エンターテイメント性の高い作品でした。囲み取材で三条清/おみつ役の剣幸さんが「皆さん息止まりますよ!深呼吸してください!と今から言っておきますけども、りょうちゃんや屋良さんはじめ、志士の皆さんの迫力がとんでもないので早く皆さんに見ていただきたい!」と声を大にして話されていたように、とても見応えのある作品でした。


ミュージカル『天翔ける風に』 撮影:藤井光永

ハイレベルで迫力と熱気に満ちた今作のエンターテイメント性、クオリティを高める役者たち‼︎

特に今作のエンターテイメント性を高め、作品のクオリティを上げていたのが屋良朝幸さんと志士を率いる原嘉孝さんのお二人の存在でした。囲み取材で演出・振付の謝さんは「屋良さんは初めての出会いですが、何でもできる方なので楽しかった。ものすごく凛々しく演じてくれています」と絶賛し、ダンスが得意な彼のために新たにダンスシーンも加えられたほどです。ご本人も「更にやりがいが生まれた」と仰っていたそのシーンは、重要な音楽を担っていた太鼓の辻祐さん、三味線の匹田大智さん、溜水石右衛門役の東山義久さんと共に繰り広げられます。疾走感あふれるサウンドに合わせた息の合ったダンスに会場はLIVEのような一体感と盛り上がりを見せていました!技術が高く美しい安定感のあるパフォーマンスはもちろんですが、屋良さん自身が活き活きとしていて本当に楽しそうで、その姿に引き込まれました。長年舞台で活躍され、引っ張りだこなのも頷けました。


ミュージカル『天翔ける風に』 撮影:藤井光永

出演者も絶賛のおすすめシーンは必見‼︎

囲み取材で、見逃してほしくないシーンはありますか?の問いに
屋良「自分が出ていないところで客観的に見てて志士たちのナンバーは激しくてかっこいい!嫉妬するくらい!そこに入りたかったなと思うくらいのものを謝さんは作ってくれていますので、見てほしいポイントかなと思います。」

珠城「それぞれ役者が自分の役割を果たしているのはもちろんですが、志士の皆さんのパフォーマンスが作品全体の熱量をすごく底上げしてくれているのを感じています。特に『ええじゃないか』『走り続ける者たちへ』というナンバーが大好きで、稽古場でも前から見たり、出番で見れないときは袖から舞台稽古中も見ていました。一人一人のパフォーマンスをじっくりお楽しみいただけたらと思います。」
と演者も絶賛していた志士のシーン、その中心にいたのが原嘉孝さんです。眼力と力強いパフォーマンスは存在感が際立ち、特にエネルギーとパワーに満ち溢れていました。


ミュージカル『天翔ける風に』 撮影:藤井光永

他に印象的だった人物として加藤梨里香さん演じる英の妹 智の存在も挙げられます。加藤さんの透明感があり伸びやかな澄んだ歌声はまるで物語の中で清涼剤のようでした。「家族のため」「生活のため」結婚を決めた智の「犠牲ではない」と歌う切ないシーンは「愛とは何か」を考えさせられました。

激動の時代、幕末の日本を舞台に、もがき苦しみながらも必死に自分の人生を駆け抜ける主人公たちの姿は、令和に生きる私たちにも熱い思いを呼び起こさせてくれるようでした。冒頭、「人間が最も恐れているのは一歩前に進むこと」という言葉は前向きで印象的な言葉でした。しかし、その後の展開は現代社会にも通じる貧富や格差社会、犯罪と正義などについても大いに考えさせられる場面の連続で、「一歩前に進む」行動の起こし方によって良い意味でも悪い意味でも人生が大きく変わってしまうということを感じました。
豪華キャストと共に描き出される 日本版『罪と罰』!熱量溢れるミュージカルをぜひ劇場でご覧ください!

詳細は公式サイトで。

https://www.amakake2023.jp/

(文:あかね渉

公演情報

ミュージカル『天翔ける風に』

【演出・振付】謝珠栄
【原作】ドストエフスキー
【脚色】野田秀樹『贋作・罪と罰』より
【出演】珠城りょう、屋良朝幸、今拓哉、東山義久、原嘉孝、加藤梨里香、駒田一、剣幸ほか

2023年9月29日(金)~10月9日(月・祝)/東京・東京芸術劇場プレイハウス
2023年10月13日(金)~10月15日(日)/兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホール
2023年10月19日(木)~10月22日(日)/豊橋・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

公式サイト
https://www.amakake2023.jp/

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