MousePiece-ree『あの日あの時の、嘘』が11月3日(木)から大阪・in→dependent theatre 1stで上演される。
MousePiece-reeは2002年、森崎正弘、上田泰三、早川丈二の三人で結成。メンバー全員が「子年」生まれであることがユニット名の由来だ。
三人それぞれが様々な外部出演をこなす実力派揃いで、着実に積み上げてきた経験から繰り出される三人の息、間合いを駆使したスラップスティックヒューマンコメディを売りに関西小劇場の中でその地位を築いてきた。
撮影:畠山薫(Cheeky☆Queens)
結成20周年となる本年、5月には記念興行第一弾として “大王”後藤ひろひと氏を脚本・演出に迎えて個性豊かな面々と書下ろし新作『CAT TOWER』を上演し好評を博した。
20周年記念興行第二弾となる本作は、脚本にわかぎゑふ氏(リリパット・アーミーⅡ)、演出に高橋恵氏(虚空旅団)と金哲義氏を迎え、同じ作品でも視点やテイストを変えることで趣のまるで変わる二通りの物語を上演する。
今回の出演はMousePiece-reeのメンバー3人のみ。10日間のプチロングランに挑む。
大正時代中期。
初老の作家、久米あきらは若い時に一冊だけ売れた本のおかげで細々と文筆業で食いつないでいる。しかし、最近はその仕事も先細り。そこで食うために女性のペンネームで流行りの少女雑誌に小説を書き始めるのだが、これが乙女たちに大人気!おまけに新聞で乙女の人生相談の解答者を連載することになり、たちまち裕福になってしまう。
売れない作家と、売れっ子の少女小説家。久米の二重生活の秘密を知っているのは担当の編集者のみで、妻の洋子も知らされていない。彼女は富豪の娘で、元少女歌劇団のスターでもあり、夫の嘘がバレたらどうなるか読めないという配慮からではあった。
しかし、この大きな「嘘」が、新しい女性編集者が来たとたんに、奇妙な方向に動き出す。久米を慕って下宿し始める青年、突然裕福になったことで犯罪を疑う警察。嘘が嘘を呼び、誠が覆されて関係者は右往左往。
久米の作家生命はどうなるのだろうか?
マウスピースリー20周年において、同じ内容だけど違う視点の脚本を2本書いて欲しいという奇妙な依頼が舞い込んだのは去年のことでした。
確かに私は芝居の本を書いて、それを落語や狂言にしたり、主役変えて違う話を書いたりはしている。しかし最初から2本って!しかも3人芝居で!難しすぎるわ!と思ったが書くことにしました。書けたら面白いだろうなと単純に思ったからです。
テーマは「嘘」
言った言わないで戦争まで起きる世の中。今回は思い切り嘘つきの話を書く事にしました。2本は内容はほぼ同じですが、視点は全然違う話。あとは2人の演出家にバトンを渡して仕上がりを楽しみにしようと思います。
ちなみに、劇中に出てくる作家のエピソードや、相談の手紙の内容は全部本当です。
綿密な嘘をつくためには本物の話を使わないと。ね?
是非見ていただきたい「真っ赤な嘘」と「腹黒い嘘」の物語です。劇場でお待ちしております!
本作は11月3日(木)から大阪・in→dependent theatre 1stで上演される。
詳細は公式サイトで。
https://mousepiece-ree.jimdofree.com/
(文:エントレ編集部)
MousePiece-ree『あの日あの時の、嘘』
【作】わかぎゑふ(リリパット・アーミーⅡ)
【演出】金哲義/赤い嘘バージョン
【演出】高橋恵(虚空旅団)/黒い嘘バージョン
【出演】森崎正弘、早川丈二、上田泰三
2022年11月3日(木)~11月13日(日)/大阪・in→dependent theatre 1st