本作は昨年2021年に、“ミュージカル”誌『2021年ミュージカル・ベストテン』において総合第4位にランクイン、オリジナルミュージカルとしては第1位に輝き、1年経たずに再演という稀な、それだけ話題を掻っ攫った作品だったんじゃないでしょうか!? 漫画【北斗の拳】を全巻持っているド世代な自分もニュースが流れてきた時は目玉が飛び出るほど驚きました。前回はタイミングが合わず観れなかったので、今回は早々に劇場に向かいました。
大貫勇輔 (c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
ケンシロウを演じる大貫さんの身体能力の高さ等は、前作からあちこちで語り尽くされていて今更な気がするので割愛します!だって凄いんだもの!(笑)
今回舞台版を観て1番良かったのは、荒廃した世界で生きる人々を漫画よりも感じられたことです!もちろん漫画でも描かれてはいるけど、そこに注目する人ってあまりいないと思うんです(だってケンシロウやラオウ以外にも魅力的な登場人物がいすぎるから笑)。ただ舞台だと演者の熱を通じて、必死に生きる様をまざまざと見せつけられるので、世界観にリアリティが生まれ深みが増してました!またそんな人達が暴力に対して歌で抵抗する姿が本当に心を打たれて、これがミュージカルの醍醐味だと感じました!
福井晶一、大貫勇輔 (c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
小西遼生、大貫勇輔 (c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
そうそう、北斗の拳の実写(舞台)化と聞くと、作品が好きな人ほどごっつい人間が出ると思うし(漫画だとマンモスぐらい大きいのが出るので人間かどうかも疑わしいんですが笑)、アクションシーンなんかも筋肉が膨れ上がって一撃で頭が吹っ飛ぶぐらいのことを想像すると思うけど、演じるのは皆様人間です!そしてミュージカルです!そこはきちんと別の形で表現してます。ダンスに歌、最新のマッピングやワイヤーアクション、大きな舞台美術に照明なんかも合わさって、まさしく舞台上総出で迫力を出してましたよ!
伊礼彼方、福井晶一 (c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
May’n、上田堪大 (c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
コンテンツとしても大人気な作品だけど、【熱さ】がギャグ要素として使われることが多いと思ってて(何なら本作も【アタタミュ】なんて言われてますが)、舞台版はギャグ要素は全くなくホントに熱かったです。名言の多い作品なので、その台詞だけで心を打たれ終始クライマックスなんじゃないと…ただ北斗の拳を知ってなくても楽しめる工夫はされてますからご安心を!漫画だと【実はこういったことが昔にありました】というように過去に遡っていくことが多いんですが、本作は時系列に沿って物語が展開されるのでとてもわかりやすい!
永井大、大貫勇輔 (c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
また主人公のケンシロウの優しさや悲しみがストレートに表現されてるし、彼が成長する過程を拳法だけでなく人との関わりも含めた要素を強くしていて、自然と胸が熱くなります!
帰って再び漫画も見直したくなりました。漫画との違いもミュージカル版の特典だと思って楽しんでみてください!
公演の詳細はこちら。
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2022/
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』
原作:漫画「北斗の拳」(原作:武論尊 漫画:原哲夫)
音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:石丸さち子
脚本・作詞:高橋亜子
キャスト
ケンシロウ: 大貫勇輔
ユリア:平原綾香/May’n(Wキャスト)
トキ:小西遼生
ジュウザ:伊礼彼方/上川一哉(Wキャスト)
シン:植原卓也/上田堪大(Wキャスト)
マミヤ:清水美依紗
トウ/トヨ:AKANE LIV
リュウケン他:宮川 浩
レイ:三浦涼介
ラオウ: 福井晶一/永井 大(Wキャスト)
バット: 渡邉 蒼
リン:山﨑玲奈/桑原愛佳(Wキャスト)
ほか
2022年9月25日(日)~30日(金)/東京・Bunkamuraオーチャードホール
2022年10月7日(金)~10日(月・祝)/福岡・キャナルシティ劇場
(c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2022/
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