現作は1967年公開のミュージカル映画「モダン・ミリー」。公開から約30年後には舞台化、楽曲をほぼ一新し製作されたブロードウェイ版は歌と踊りに彩られた上質なミュージカルとなり、トニー賞作品賞や主演女優賞などを受賞し大ヒット。 2020年4月に開幕直前に公演中止となった本作品ですが、今回ついにシアタークリエで上演となりました。
ミュージカル『モダン・ミリー』写真提供:東宝演劇部
本作はモダンガールに憧れて田舎町から出てきたミリーが恋に仕事に奮闘する物語。
舞台は1920年代のニューヨーク。オーケストラの演奏導入が耳を満たし、体内の空気もすっかりマンハッタン。着いて早々いろいろ起こりますが、ミリーは「失うものがないじゃない!」という楽天ぶり。
ミュージカル『モダン・ミリー』写真提供:東宝演劇部
ミリーを演じる朝夏まなとさんははつらつとした雰囲気と底抜けな明るさがミリーぴったり。赤いドレスとボブがとてもよく似合っていました。偶然の出会いを繰り返すジミー役、中河内雅貴さんは滲み出る飾らない優しさが印象的。下宿屋で友達になるドロシー役実咲凜音さんはブロンドヘアがとても似合いリッチ感たっぷり。唯一ニコニコしない場面に注目です。ミリーは玉の輿を狙って就職した会社の社長・グレイドン(廣瀬友祐)には猛アプローチをかけ、また世界的歌手マジー(保坂知寿)にも出会い、新しい生活を楽しんでいきます。
ミュージカル『モダン・ミリー』写真提供:東宝演劇部
ある時ドロシーが行方不明になり、どうやらそこに関わっているのは下宿先の女主人ミセス・ミアーズ(一路真輝)。三つ編みがトレードマークの怪しい出で立ち、だみ声や巻き舌が迫力満点。(登場した瞬間は一路さんと認識するまで時間がかかりました笑)ドロシー救出作戦を決行したミリー達の運命はー。
ポップでモダンな世界観
全体的な世界観が”モダン”でキュート。衣装もカラフルで目を引くかわいさがあります。見どころはやはりタップシーン。朝夏さん×実咲さんのまさかそこで?な場所でのタップダンスに注目です。また独特なテンポ感で音楽に乗せたコメディ要素もあり。登場人物の想いが乗ったナンバーも必見です。
計画と違う!モダンガールへの憧れ
私は働く女性であさはかな女性ではない。恋も仕事も頑張りたい。理想と現実、そして自分にとって本当に大切なもの、マジーからの”あなたの心の声を聞くの”というメッセージ。
一生懸命いろんなことに挑戦して、当たって砕けて、でも諦められないものがある。理想を追いすぎてたまに自分が分からなくなることもある、でも大切な何かを見つけたい。誰もがどこかで共感できてしまうような葛藤をミリーも抱えています。
ミュージカル『モダン・ミリー』写真提供:東宝演劇部
華やかなダンスと魅力的なナンバーに彩られた”とびきり”ハッピーなミュージカル。
ミリーが奮闘する姿に勇気をもらえること間違いなしです。
公演の詳細はこちら。
https://www.tohostage.com/modern_millie/index.html
(文:真来こはる)
ミュージカル『モダン・ミリー』
【脚本】リチャード・モリス、ディック・スキャンラン
【新音楽】ジニーン・テソーリ
【新歌詞】ディック・スキャンラン
【原作 / ユニバーサル・ピクチャーズ同名映画脚本】リチャード・モリス
【演出・翻訳】小林香
【キャスト】
ミリー・ディルモント:朝夏まなと
ジミー・スミス:中河内雅貴
ミス・ドロシー・ブラウン:実咲凜音
トレヴァー・グレイドン:廣瀬友祐
マジー・ヴァン・ホスミア:保坂知寿
ミセス・ミアーズ:一路真輝
ミス・フラナリー:入絵加奈子
バン・フー:安倍康律
チン・ホー:小野健斗
工藤広夢、砂塚健斗、高木裕和、堀部佑介、丸山泰右、大月さゆ、小林由佳、島田彩、高橋千佳、花岡麻里名、吉田萌美
2022年9月7日(水)~26日(月)/東京・シアタークリエ
2022年10月1日(土)・2日(日)/大阪・新歌舞伎座
公式サイト
https://www.tohostage.com/modern_millie/index.html
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