寺で出来る演劇『クォンタム・アリアの碧い首』が8月26日(金)・27日(土)に東京・光明寺オープンテラスで、8月28日(日)に大阪・萬福寺山門会館で上演される。
「#家で出来る演劇」は2020年4月より活動している、主宰・ディレクターである日野あかりを中心とした演劇ユニット。
コロナ禍でのオンラインでの演劇活動の模索に始まり、そこから発展して「家」=「劇場ではない日常空間」での上演をコンセプトとしている。
「劇場ではない日常空間」を演劇に使うことで、日常(リアル)と物語(フィクション)の「間」になることを意図して活動を行っており、自分の今立っている場所の地続きに、新しい物語や思いもよらない出来事があるのでは、と想像が膨らむことで、生きていくのが少し楽しみになるような演劇作品を制作している。
今回の公演は、過去公演の反応から感じた「漠然とした不安」「疲弊感」といった感情に何らかのアプローチをしたい、という考えから、空間の清浄感はもちろん、心が一息つけるような落ち着いた雰囲気を持つ「寺」に着目した。
場所の特性を生かして仏教のテイストを取り入れた作品にするため、日本最古の仏教説話集「日本霊異記」を基にした物語を創作。時代や場所を飛び越えた作劇に定評のある架空畳の小野寺邦彦が作・演出を手掛ける。
出演は日野あかり(#家で出来る演劇 ディレクター)、佛淵和哉、山森信太郎(髭亀鶴)、依乃王里(箱庭円舞曲)。
東京公演の会場は港区・神谷町駅最寄りの光明寺・オープンテラス。大阪公演の会場は大阪市・四ツ橋駅最寄りの萬福寺・山門会館。
いずれもカフェや音楽ライブなど、開かれたお寺としての場所づくりを行っている寺院だ。
寺で出来る演劇『クォンタム・アリアの碧い首』
世界は同時に存在している。求める首は、ただひとつ。
3人の男と、1人の女。
3つの並列(クォンタム)な異類婚姻譚が巻き戻し・再生され・やがて混線する。
そのノイズの中に、たった一つの歌(アリア)が聞こえてくる。
日本最古の仏教説話集「日本霊異記」。
因果応報に紐づく物語のエッセンスを抽出し、寺を舞台に上演。
ブルフィンチの『ギリシャ神話』には、自身が刻んだアフロディテの石像に恋し、女神に祈ってその恋を成就させた石工ピグマリオンの物語が記されています。平安時代初期に編まれた仏教説話集『日本霊異記』には、信濃国の優婆塞(うばそく)が吉祥天の仏像に恋し夢の中で想いを遂げる話があり、この物語はやがて『今昔物語集』に受け継がれました。
仏教説話として今日まで残る物語の多くは、諸外国の神話、民話、詩、伝承などにそのルーツを見つけることができます。
誰かが伝え聞いた話を、また別の誰かに話す。そうやって口伝えに伝承されていった物語が、古来より国・時代を越え、今日ここに残っている。それはきっとその話が、面白かったからです。ものすごく単純で、だからこそ凄い。
そこには、砂漠にあっても蔦を延ばし生い茂る植物の貧欲な生殖力にも似た、「物語」の底力を感じます。
おかしな話。不思議な話。つい誰かに喋りたくなってしまう魔力でもって人の口を媒介し、それ自体がDNAのように生き長らえてきた物語。
2022年「#家で出来る演劇」は、実際の仏教寺院を 家=会場 として、説話集に収められたあまた「奇異の事」を縦横無尽にリミックスし、現代の物語としてご覧いれます。
詳細は公式サイトで。
https://note.com/playathome/
(文:エントレ編集部)
#家で出来る演劇
寺で出来る演劇『クォンタム・アリアの碧い首』
【作・演出】小野寺邦彦(架空畳)
【出演】日野あかり、佛淵和哉、山森信太郎(髭亀鶴)、依乃王里(箱庭円舞曲)
2022年8月26日(金)・27日(土)/東京・光明寺オープンテラス
2022年8月28日(日)/大阪・萬福寺山門会館
公式サイト
https://note.com/playathome/
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