明治座、東宝、ヴィレッヂ。それぞれ歴史もカラーも異なる三社から、同じ年齢の男性プロデューサー三名が集まり、立ち上げた本企画。第一弾公演は、2020年12月より、漫画家・岡野玲子による『両国花錦闘士』を上演。第二弾となる今回は『リチャード三世』×昭和の歌謡界をモチーフに、倉持裕が作・演出する。
主演は今作が本格的な舞台へ初挑戦となる中川大志。醜い風貌と不遇な宿命を背負い、大衆芸能・歌謡界で悪逆の限りを尽くす主人公「鳴尾定(なるおさだむ)」が、美貌の歌手「桜木輝彦(さくらぎてるひこ)」となり歌謡界を席巻するも、破滅の道へ突き進む、昭和歌謡版リチャード三世を縦横無尽に演じる。
さらに、松井玲奈、福本雄樹、浅利陽介、中村中、山内圭哉、池田成志などが出演する。
『歌妖曲〜中川大志之丞変化〜』
STORY
昭和30年代の歌謡界に彗星のごとく登場し、瞬く間にスターダムに駆け上がった桜木輝彦。そのベールに包まれた経歴の裏側には、戦後の芸能界に君臨する「鳴尾一族」の存在があった。
元映画スターの鳴尾勲が手掛ける、愛娘の一条あやめと愛息の鳴尾利生は、スター街道を邁進中。フィクサー・大松盛男が控え、今や世間からは、大手芸能プロダクションと謳われていた。
だが、そんな鳴尾一族にあって、存在を闇に葬られた末っ子がいた。
ねじ曲がった四肢と醜く引きつった顔を持つ、鳴尾定。
一族の汚れとして影の中で生き長らえてきた定は、闇医者の施術により絶世の美男子・桜木輝彦に変身を遂げ、裏社会でのし上がろうとするチンピラ・徳田誠二と手を組み、同じく鳴尾家に怨恨を抱くレコード会社の女社長・蘭丸杏と政略結婚し、自身の一族に対する愛の報復を始める。
その血に……運命に……復讐を遂げるべく、桜木輝彦による唄と殺しの華麗なるショーが幕を開ける───。
今回、作・演出の依頼をいただき、明治座という歴史ある劇場で、歌と踊りと芝居のエンターテインメントを作る、という機会は、めったにあることではないと思い、快諾しました。
『リチャード三世』がモデルの、復讐を目的とした主人公を、どう魅力的に描くかについては苦労しましたが、悩みつつも能動的で、格好いいキャラクターになったと思います。主人公を演じる中川大志君とはNHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』で知り合ったこともあり、彼には、格好良さに加えて、あの喜劇性にも期待しています。それから、歌声にも実に色気がある。美しさと醜さの二役を、どう演じ分けてくれるかも楽しみです。
それぞれ一癖ある登場人物たちによる群像劇と、昭和の歌番組や歌謡映画のムード漂う歌唱シーンを掛け合わせ、盛り上げたいと目論んでいます。中川君はじめ、俳優たちのケレン味、シリアスとユーモアの入り混じったドラマ、昭和歌謡をモチーフにした楽曲の数々を、どうぞご堪能下さい。
中川大志
本格的な舞台に立たせていただくのは初めてなので、新たな挑戦の場をいただけて本当に嬉しいです。音楽劇という事で、お芝居をして歌を歌う、というのは、自分にとっては未知の世界なので、わからないことばかりだと思います。いろいろ挑戦して、いろいろ失敗して、恰好つけずに立ち向かってたくさんのことを体感していきたいです。この作品を通して、鳴尾定、桜木輝彦という男に負けないように、今までに経験したことのないゾーンまで飛び込んでいきたいと思います!
今回の出演は《三銃士》の皆さんとコミュニケーションを取りながら導いていただけたことで実現しました。不安もありますが、それがどのように爆発させられるか自分にも期待したいです。
今まで見たことのない僕をみせられるように、一生懸命がんばりますので、どうかみなさま楽しみにしていてください!
詳細は公式サイトで。
(文・エントレ編集部)
『歌妖曲~中川大志之丞変化~』
【作・演出】倉持 裕
【出演】
中川大志/
松井玲奈 福本雄樹 / 浅利陽介 中村 中 /
福田転球 玉置孝匡 徳永ゆうき 中屋柚香 長田奈麻 香月彩里 四宮吏桜 /
山内圭哉 / 池田成志
岩﨑巧馬 遠藤 令 金子大介 熊澤沙穂 鈴木サアヤ 鈴木智久 高澤礁太 藤森蓮華 村田実紗 南 誉士広
2022年11月6日(日)~30日(水)/東京・明治座
2022年12月8日(木)~12日(月)/福岡・キャナルシティ劇場
2022年12月17日(土)~25日(日)/大阪・新歌舞伎座