表現者工房は大阪の同名劇場・表現者工房を拠点に演劇を中心にプロデュース活動を展開、都市や国境の垣根をなくしあらゆる表現者をつなぐべく活動中。
今回、1986年に韓国で大ヒットしたコメディ「チルスとマンス」を当時のオリジナル演出家で韓国演劇界の重鎮イ・サンウによる演出で2020年版にリメイク。矢内文章、坂口修一、七味まゆ味、岩崎正寛、有北雅彦と芸達者な俳優陣が出演する。
リメイク版「2020チルスとマンス」では、コロナ禍で韓国にいる演出家イ・サンウは来日できなくなってしまったが、オンラインでのリモート演出で参加し、矢内文章の脚色により当時の時代背景や設定を活かしつつ現代へ通じる形へアップデートされ、エネルギッシュな演劇の魅力が笑いとともに表現されている。
大阪・東京・石川の3都市で順次公演を開催し、上演にあたっては、客席を通常のおよそ半分に減らすなど、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底する。
また、大阪で行われる全公演では公演の有料ライブ配信を実施する。
チルスとマンスは成功を夢見て地方からソウルにやってきたが、未だに埒が明かず劣悪な環境で生活している。高層ビルのペンキ塗りとして働く2人はひょんなことから大事件を起こしてしまう。
悪気のない彼らの思いとは裏腹に状況は刻一刻と悪化していく…
この公演はは幾つもの越えなければならない壁がありました。
3月の時点で、日韓の渡航ができなくなり、演出のイ・サンウさんが来日できなくなり、中止を含めた検討をしました。しかし、オンラインでの演出を二つ返事で引き受けていただき、出演者たちも「中止にはしたくない」という思いで強く合意してくれました。緊急事態宣言の最中も「今だからやるべき。6月ならやれる筈」と、慎重に状況をにらんで制作体制を進めてきました。オンライン演出、オンライン本読み、フェースシールド着用、ガイドラインの遵守、消毒、換気、全てのことに留意して公演に臨みます。
このコロナ禍における「抑圧=プレッシャー」は、1985年『チルスとマンス』初演時の軍事政権下と同じだと、イ・サンウさんは言ってます。
1990年の韓国を舞台に、韓国高度成長の波の中で、自分を見失いそうになる2人の若者。その2人が、あるいは5人の出演者たち全員が、1990年から貴方に問いかけます。
本作は6月19日(金)から大阪・表現者工房ノワールで上演される。大阪公演は全公演が有料配信される。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
表現者工房プロデュース「2020チルスとマンス」
【原作】オ・ジョンウ/イ・サンウ
【脚色】矢内文章
【演出】イ・サンウ
【出演】矢内文章(アトリエ・センターフォワード)、坂口修一、七味まゆ味(柿喰う客/七味の一味)、岩崎正寛(演劇集団 円)、有北雅彦(かのうとおっさん)
2020年6月19日(金)~6月22日(月)/大阪・表現者工房ノワール
2020年6月26日(金)~6月29日(日)/東京・シアター風姿花伝
2020年7月4日(土)~7月5日(日)/石川・金沢21世紀美術館 シアター21
公式サイト
2020チルスとマンス
舞台チケット
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