9PROJECTによる舞台「二代目はクリスチャン」が4月8日(水)から東京・日暮里d-倉庫で上演される。
9PROJECTは、つかこうへいが主宰した北区つかこうへい劇団のメンバーによって結成された演劇ユニット。これまでも「ストリッパー物語」「生涯」「熱海殺人事件~1973年初演版」「つか版・忠臣蔵」など、つかこうへい初期の作品を上演してきており、上演に際しては戯曲に脚色を一切しないことに強いこだわりを持っている。
稽古写真(写真:堀内亮太)
一方、「二代目はクリスチャン」は、つかこうへいが1985年の発表した小説で、井筒和幸監督、志穂美悦子主演により映画化され大ヒットした。
1999年、つかこうへい演出で舞台化されたが、同年の東海村JCO臨界事故を受けて「緊急特別バージョン」に変更。つかこうへいが、初めて原発問題を直接取り上げた作品に生まれ変わった。2007年、つかこうへいから作品を託された渡辺が、小説とシナリオ、つかが書きかけていた「北区版」の断片を元に「オーソドックス・バージョン」として再舞台化。今回は、12年振りに脚本をブラッシュアップしての再挑戦となる。
赤子の頃、教会に預けられて育てられた、シスター今日子。
真面目で愛情深い彼女だったが、ある土砂降りの雨の日に一人のやくざ者と出会い、恋に落ちたことから運命が変わり始める…。
今日子こそは神戸を取り仕切る極道、神龍組のただ一人の跡取りであり、
そしてその父を殺した男こそ、嵐の夜に出会った英二であった。
「どうしてこんなに好きになってしまったんでしょうね。
でも私は、父を殺したあなたを愛したことを誇りに思いたいのです。
主からも『いい恋をしたね』と祝福してもらいたいのです」
組と自分を守るために死んでいった子分たちのため、今日子はついに刀を抜く…。
「渡辺、二代目をやってみろ」
まだ、つかさんが元気だった2007年、そんな一本の電話がかかってきた。「(主演は)誰でやる」「高野で行きます」「そうか、分かった」そうして僕は、つかさんが書きかけていた「北区版」の断片をベースにして「オーソドックス・バージョン」を作り上げました。
当時は好評をいただきましたが、つか作品の翻案は難しく「もっとやれたはず」との思いは消えずにいました。あれから12年余り。今回、9PROJECTという自由に遊べる場を使って、もう一度この作品に挑戦することにしました。主演は、前回と同じく高野愛。脚本を一から書き直し、新たに作り上げる「オーソドックス・バージョン」です。
本作は4月8日(水)から東京・d-倉庫で上演される。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
9PROJECT「二代目はクリスチャン」
【作】つかこうへい
【脚色・演出】渡辺和徳
【出演】高野愛・熊倉功・相良長仁・新澤明日・小川智之・友部康志・岩崎祐也・仲道和樹・諏訪貴大・藤原儀輝
2020年4月8日(水)~4月12日(日)/東京・d-倉庫
公式サイト
9PROJECT「二代目はクリスチャン」