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役者陣の圧倒的なパフォーマンスとライブ感! ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」観劇レビュー

ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」左から海宝直人、中川晃教、中河内雅貴、福井晶一 写真提供:東宝演劇部役者陣の圧倒的なパフォーマンスとライブ感! ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」観劇レビュー

2016年7月に中川晃教主演でシアタークリエにて初演され、第24回読売演劇大賞にて「最優秀作品賞」を受賞したこの作品。
主演の中川晃教は続投、新たに伊礼彼方、Spiをキャストに迎えての待望の再演がシアタークリエにて絶賛上演中です!

STORY

舞台はニュージャージーの貧しい片田舎。「天使の歌声」と称されたフランキー(中川晃教)はトミー(中河内雅貴)とニック(福井晶一)のバンドに迎え入れられる。
高い作曲能力を持つボブ(海宝直人)が加わり「ザ・フォーシーズンズ」として本格的に活動。
彼らは【Sherry】を始めとする数々の名曲を生み出しヒットさせ、やがては全米No.1まで上り詰める。
しかし・・・華やかで輝かしい活躍の裏では・・・。

と、物語自体は想像の域を越さないし、予定調和的な部分も否めない。
あらすじだけ聞いたら「よくある話ね」で終わるかもしれない。

しかし、観劇していても・・・正直何回観ても・・・役者陣の圧倒的なパフォーマンスがそんな「よくある話感」を全て消し去ってくれるのです。
お芝居の中に既存の楽曲が散りばめられているせいか、ミュージカルを観ているというより、お芝居の中でライブを観ている感覚です。


ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」中川晃教 写真提供:東宝演劇部

フランキー・ヴァリを演じるのは中川晃教。
耳なじみのある楽曲を中川晃教が歌う。これだけでも劇場に足を運ぶ価値がある!とさえ思ってしまいます。
彼の声の質や温度、歌唱力、声量があますところなく発揮されている。本当に「天使の歌声」なんだと。中川晃教以外に誰がこの役できる?と。そんなことを上演中に考えていた。それくらい当たり役だと思う。

余談ですが・・・モーツァルト初演の時「天才が天才を演じている」と感じた。
すごいと思う役者さんはたくさんいる。好きな役者さんもたくさんいる。
それでも「この人、天才」って思うのは中川晃教だけかもしれない。


ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」 写真提供:東宝演劇部

トミー・デヴィートを演じる中河内雅貴。
今まで何回も拝見させてもらってますが・・・「こんなにいい役者だった?」というのが第一印象。
借金作ったり、悪さしたり、悪事にフランキーを巻き込んだり、しかもそれを悪びれる様子もないトミー。そんなクズのような男を端正な顔立ちのイケメンが演じる。一見の価値あり。
イケメンだからなのか・・・本質に愛があるからなのか・・・現実に近くにいたら嫌悪感ですが、最後まで嫌いになれなかった。


ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」 写真提供:東宝演劇部

劇中で作曲を手掛けるボブ・ゴーディオを演じる海宝直人。
育ちもよくて賢いボブは海宝直人にピッタリの役どころなんだと思う。感情を出し過ぎず、抑えすぎず。
真摯に生きてる姿は海宝直人そのものな気がしたり、しなかったり。

歌唱に関しては当然のことながら抜群の安定感。突き抜ける歌声、劇場全体を舞い込む歌声は必聴です。
今回、中川&中河内の両名に目を奪われ過ぎたので次は海宝直人をガン見しようと思います。


ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」 写真提供:東宝演劇部

そして、ニック・マッシ役の福井晶一。
風の吹くまま気の向くまま的なニック。自己主張をするわけでもなく、グループの一員でいるニック。その微妙な佇まいを完璧に醸し出していた福井晶一。
部屋のタオルの件など、怒っているのにチャーミング。

そして、彼のハーモニーが素晴らしかった。劇中で歌われる数々の楽曲をより素晴らしく、深みのあるものにしているのは彼のハーモニーの賜だと私は思う。グループの中でも音楽の中でも目立たないけど欠かせない存在でした。


ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」中川晃教 写真提供:東宝演劇部

メインの三人はダブルキャスト。
今回はTEAM WHITE。
対するTEAM BLUEはトミーに伊礼彼方、ボブに矢崎広、ニックにSpi。こちらもキャストに穴がない!

同じ演目であってもきっと全く異色の作品になるんだと思う。いや、絶対になる。観たいなぁ。なんならチームシャッフルがあっても面白いんだけどなぁ。

チームBLUEの事がわかる囲み取材時の動画はこちら。

ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」は日比谷シアタークリエで10月3日まで上演!
その後、秋田、岩手、愛知、大阪、福岡、神奈川に彼らがやってきます!
詳細は公式サイトで。

(文:風早優希

公演情報

ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」

【演出】藤田俊太郎
【脚本】マーシャル・ブリックマン&リック・エリス
【音楽】ボブ・ゴーディオ
【詞】ボブ・クルー

【出演】
フランキー・ヴァリ:中川晃教
トミー・デヴィート:中河内雅貴/伊礼彼方
ボブ・ゴーディオ:海宝直人/矢崎広
ニック・マッシ:福井晶一/spi
ボブ・クルー:太田基裕
ジップ・デカルロ:阿部裕
ノーム・ワックスマン:畠中洋

綿引さやか、小此木まり、まりゑ、遠藤瑠美子、大音智海、白石拓也、山野靖博、石川新太

2018年9月7日(金)~10月3日(水)/東京・シアタークリエ
2018年10月8日(月・祝)/秋田・大館市民文化会館
2018年10月11日(木)・12日(金)/岩手・岩手県民会館
2018年10月17日(水)・18日(木)/愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2018年10月24日(水)~28日(日)/大阪・新歌舞伎座
2018年11月3日(土)・4日(日)/福岡久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2018年11月10日(土)・11日(日)/神奈川・神奈川県民ホール

公式サイト
ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」

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