初座長公演で天才棋士を演じる三山ひろしと、原案の立川志の春にインタビュー!『三山ひろし特別公演』1月7日から明治座で上演
右から三山ひろし、立川志の春
演歌歌手・三山ひろしが初座長を務める『三山ひろし特別公演』が1月7日から明治座で上演される。
本公演の第一部で上演される『阪田三吉物語』は、大阪・堺出身の天才棋士・阪田三吉の将棋に掛けた生涯を描いた物語。
落語家・立川志の春が2018年6月に『志の春サーカスvol.1』で上演した落語を原案として、堤泰之の脚本・演出で舞台化する。
エントレでは、本作で主人公の阪田三吉を演じる三山ひろしと、原案を手掛け本作では進行役として出演する立川志の春にインタビュー取材し、本作の魅力について聞いた。
右から三山ひろし、立川志の春
志の春「これはもう、僥倖(ぎょうこう)としか言いようがなかったですね。・・・って、これ、藤井聡太さんが20連勝した14歳の時の言葉なんですけど、僕もいつか使ってみたいなと思ってたんですよ。43歳にして初めて使いました。」
三山「でも、どういうことなんですか?僥倖って?」
志の春「信じられないくらいの喜びみたいな感じですね。最初に志の春サーカスvol.1でやってから1年経たないうちにお話があったので、まさに信じられない喜びでした。望外でした。」
右から三山ひろし、立川志の春
三山「新春公演ですし、明治座さんでの初座長公演ということにもなりますし、私でいいのかなと思いました。そして将棋の世界・・・。村田英雄さんの歌で知ってはいたものの、実際の阪田三吉さんの姿はどんなものだったのかを考えた時に、期待と面白さを感じました。
志の春さんの落語を見させて頂いて、どんな阪田三吉像を描けばいいのか、志の春さんに聞いてからじゃないとできないな、と思ってました。
なんとなく品のある感じじゃないかなと、今は思っています。戦術を練って相手と戦っていくということは、心理戦の意味合いもあるので、相手の心をわかる繊細な人だったんじゃないかと・・・。」
志の春「・・・三山さんの読みが深いですね。」
三山「また、関根名人とのやりとりのところなんかも、男の熱い友情とドラマがここにあるんやなと。まさに2020年の幕開けにふさわしい作品やなと思いましたね。」
志の春「そう思って頂けるのは嬉しいですね!実は僕ちょっと三山さんが三吉に似てるんじゃないかなと思ったんです。名前に「三」が付く以外に。三吉はプロの将棋指しになる前から近所の将棋大会で賞金稼ぎをしていたんですが、三山さんも3、4歳くらいの頃から歌の大会に出てらしたんですよね?」
三山「その通りです。オーブントースターもらったり、電動歯ブラシとか スイカひと玉とかもらってくると、おばあちゃんが『芸は身を助けるゆうことやから、覚えときなさい』って言われて育ったんです。
歌を歌うことはみんなの喜びが見られるのもいいけど、ちゃんと自分の身になることなんやなと思いました。」
志の春「三吉は近所の大会で荒稼ぎして『もはや敵なし』かと思っていたら、関根金次郎というすごい人と出会ってプロの世界を知ることになる。三山さんにもそういう出会いはあったんですか?」
三山「ありましたね・・・。20歳過ぎてからなんですけど、そこまで高知県の中では賞をもらっていたりしたんですが、ある全国のカラオケ大会に出た時に、これではダメやなと思いました。それをどうやって勝ち抜くのかという壁はありましたね。
《あの人に勝たんとアカン》っていうのがあるんですよ。そういうところは、似ているなと思いますね。」
志の春「三山さんにとっての関根金次郎みたいな人がいたんですね。」
三山「そうなんです。その時に、東京に行かな話にならんって思って、25歳で上京したんです。
まさしく『明日は東京に出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ』だったんですよ。だから世界観は僕にも重なっているんですよ。」
志の春「そうです。語り部のようで、時には落語を交えてとなるかもしれません。基本進行役ですが、少しくだけた感じも入れて、物語の潤滑油になれればいいですね。」
右から三山ひろし、立川志の春
三山「好きなんですけど、弱いんですよ。マネージャーさんが将棋好きなので時々やったりするんです。最近では矢倉を組んでみたりとか。」
志の春「おおー!矢倉がなんだかわかりませんが!」
三山「だけど、矢倉組むのに一生懸命で、他の駒を全部取られちゃったりするんですよね。」
志の春「わかります!僕の親父も強いですけど、小さい頃やると僕がまだ負けたと気付いていない時点で向こうは気付いている。で、『もう、詰んでるよ』とか言われる。そういうのが一番腹立つんですよ!北斗の拳の『お前はもう死んでいる』みたいなあれが!」
三山「確かに!あれ悔しいですよね。」
『三山ひろし特別公演』チラシ
志の春「僕が新作落語として書いたものが舞台化されること自体が楽しみですし、三山さんが演じる三吉がとてもチャーミングで魅力的な人物になると確信しています!」
三山「落語を拝見した時に、大変な感動作であると同時に明日に生きる力をもらえるんじゃないかなと思ったんです。一人の男の生き様であると同時に、現代を生きる私たちにとってもすごく力強いメッセージをもらえると思うんです。
男同士の熱い友情と戦い・・・。伝説の阪田三吉さんなので大切に演じていきたいと思います。
また第二部もオンステージですので、一日中楽しんでもらえる公演になると思いますので、是非、お正月は明治座までお越しください!」
右から三山ひろし、立川志の春
本作は2020年1月7日(火)から東京・明治座で上演される。
詳細は公式サイトで。
(撮影・文:森脇孝/エントレ)
『三山ひろし特別公演』
第一部「阪田三吉物語」
【原案】立川志の春
【脚本・演出】堤泰之
【出演】三山ひろし、立川志の春、田中稔彦、清水佐紀、丹羽貞仁、小野寺丈、ほんこん/間寛平(Wキャスト) ほか
第二部「三山ひろしオンステージ First Dream 2020」
【構成・演出・振付】玉野和紀
2020年1月7日(火)~1月23日(木)/東京・明治座
公式サイト
『三山ひろし特別公演』
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