2019.2.8  10

伝承や古典戯曲を元に描く「とおい未来のむかしばなし」 perrot『月に瞳のあこがれて。』2月20日から王子小劇場で上演


 ≫広告掲載のご案内


perrot「月に瞳のあこがれて。」
フライヤーデザイン:永良凌
 

perrotによる舞台「月に瞳のあこがれて。」が2月20日(水)から東京・花まる学習会王子小劇場で上演される。

 
perrot(読み方:ぺろっと)は主宰のいわもとよしゆきの脚本・演出作品を上演するU-25の若手カンパニー。古典的手法を大胆に引用した虚構的な世界観と修辞的な台詞回しを通して、現代社会を寓話的に描く作風が特徴だ。

撮影:保坂萌
perrot「雲をたぐって天まで飛ばそう。」 撮影:保坂萌

 
2018年度は、日本の<過去>・<現在>・<未来>を寓話として描く「日本と寓話」シリーズを一年を通して上演していた。三作目となる今回は<未来>を描いた『月に瞳のあこがれて。』を上演する。
作品のモチーフとなっているのは月と太陽の民間伝承、そしてシェイクスピアの『尺には尺を』『から騒ぎ』。これらをファンタジックな世界観とボーイミーツガールを用いて大胆にマッシュアップし、劇世界へと昇華させる。

 
今回の主役は、perrot『今日は砂糖の雨が降るから』にて佐藤佐吉賞2017の優秀主演男優賞を受賞した秋本雄基(アナログスイッチ )。ヒロインは同じく『今日は砂糖の雨が降るから』にて強さと優しさを兼ね備えた女性を演じ、好評を博した平体まひろが演じる。さらに、西村蒼(古代演劇クラブ)が出演するほか、Q本かよが特別出演する。

 

STORY

太陽は朽ちかけ、夜空に月が3つ浮いている。

ツチクレノ国では明けない夜に大地は荒み人々は苦しんでいた。
そんな折、主人公【ヒナタ】は弟をかばいエチゴヤをクビになってしまう。
金も学もないヒナタは幼い頃よりの夢だった、菩提樹に浮かぶアマノ国へと旅にでる。

一方、アマノ国では絶対神ミココロによって宵の3姉妹から月の女神が選ばれようとしていた。
次女の【アルテ】は3姉妹でアマノ国を治める方法を提案するも、力を欲する長女のヘカテにそれを退けられてしまう。

アマノ国へ忍び込んだヒナタは、ひょんなことからアルテを見つけ助け出すが…。

 

いわもとよしゆき(perrot主宰・脚本・演出)

この作品で私は演劇界に『大きな物語』の復権を果たしたいと思う。

世間では『大きな物語』の喪失がうたわれて久しい。
政治的・宗教的なレベルではもちろん、それは日常や芸術の世界においても同様であると私は考える。ポスト・ドラマの流行に端を発する、ミニマルでコンセプチュアルな視座を持った団体や作品群は、近年逆説的に「メジャー」な存在となった。以前にもまして多様性と流動性に溢れる世界において、旧世紀に信じられてきた『大きな物語』を信じることはナンセンスと評価されることが、一種のステータスになっているのではないだろうか。

しかし、私はこれに強く抗議したい。
物語は有史以来、決して失われずに紡がれてきたホモ・サピエンスの知的営為である。神話や寓話は形を変え、現代にも強く影響を与え続けている。『大きな物語』の喪失すら「一つの物語」に過ぎないのではないかと私は考える。多様性とは、つまるところ次世代における新たなステータスを築く過程にあらわれる現象のことである。流動性とは絶えず世界に存在し、近現代において可視化されやすくなったに過ぎない現象である。

ゆえに、わたしは『大きな物語』の復権に向けて、今作『月に瞳のあこがれて。』を嚆矢とした挑戦をおこないたいと思う。この作品では、シェイクスピア作『尺には尺を』『から騒ぎ』を下敷きに、月と太陽に関する民間伝承と神話をモチーフとした世界観のもと、「未来のむかしばなし」を新たに築き上げたい。
現代社会の問題意識をそのまま表現するパターナリズムを避け、現代という卑近な状況に甘んじず、古典という人間の皮膚感覚に近いものを基礎に、人類の営みの結晶たる寓話をマッシュアップしていくことで、現代/未来の観客へ訴求する作品を新たに生み出すつもりだ。
これは一種のアダプテーションである。これは物語が物語によって作られてきた起源を辿る旅路でもある。奇をてらったアプローチや個別具体的な題材によってではなく、温故知新、伝統による破壊と想像によって新たな『大きな物語』を2019年の日本に打ち立てたい。

「わかる人にだけわかる」演劇からより普遍的なものへ、一歩歩みだす足がかりとなることを願って幕をあげよう。「わかる人にだけわかる」演劇からの脱出を「わかる人にだけわかる」文章でしか書き記せないこの文章に対する矛盾はすべて劇場で解き明かすことを誓いたい。
もしも、あなたが現状の演劇界に行き詰まりを感じているのならば、perrot『月に瞳のあこがれて。』をぜひ観劇していただき、忌憚なき意見を投げかけてもらえれば幸いである。

 
本作は2月20日(水)から東京・花まる学習会王子小劇場で上演される。
詳細は公式サイトで。

 
(文:エントレ編集部)

 

公演情報

perrot「月に瞳のあこがれて。」

【作・演出】いわもとよしゆき

【出演】秋本雄基(アナログスイッチ)、平体まひろ、西村蒼(古代演劇クラブ)、廣瀬樹紅(perrot)、生駒元輝(perrot/カマトト)、大矢紗瑛、桑田佳澄、高須賀あき乃(明るい人類)、浜田渉、坂西嵩史(グアテマラ=コミュニティ)、Q本かよ

2019年2月20日(水)~2月24日(日)/東京・花まる学習会王子小劇場

公式サイト
perrot「月に瞳のあこがれて。」

プレイガイドで検索
カルテット・オンライン

 ≫広告掲載のご案内
こちらの記事も合わせてどうぞ!

最近の記事


 ≫もっと見る
 

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2019 Village Inc.