小角まや(アマヤドリ)らが出演 藤原佳奈が率いるmizhen「溶けない世界と」d-倉庫で開幕 29日(日)まで
mizhen「溶けない世界と」 撮影:高倉大輔
藤原佳奈が率いる演劇創作ユニットmizhenの舞台「溶けない世界と」が4月25日からd-倉庫で開幕した。
mizhenは、メンバー全員女性の演劇創作ユニット。20代後半の女性の心模様や、セックスレスの夫婦のすれ違い、母へのコンプレックスから抜け出せない歌手の半生など、“女として生きる”ことで生まれるさまざまな葛藤を等身大に描き作品を創作してきた。
近年では『夜明けに、月の手触りを(2016)』が第21回劇作家協会新人戯曲賞最終候補にノミネート。一人芝居 音楽劇『Sの唄』は、平成28年度北海道戯曲賞 優秀賞を受賞した。さらに、2016年に行われた第5回クォータースターコンテストでは、藤原佳奈が投稿した演劇動画作品「マルイチ」がグランプリを含む4賞を獲得。舞台、映像作品の分野を横断して注目を集めている。
今回、上演が始まった「溶けない世界と」は、チェーホフの名作『かもめ』に着想を得て描く、生きる、寂しさにまつわる群像劇。なお、登場人物の男女を全て逆転して構成する。mizhenの 佐藤蕗子、 佐藤幸子に加え、小角まや(アマヤドリ)、照井健仁、 安東信助(日本のラジオ)、百花亜希(DULL-COLORED POP)、滝 寛式(はえぎわ)、小林 樹(カムヰヤッセン)、前原麻希、藤井咲有里が出演。
音楽はフジロックにも出演するUHNELLYS(ウーネリーズ)が担当。本作のために書き下ろした新曲含め、全編 UHNELLYSの楽曲で構成される。
mizhen「溶けない世界と」百花亜希、滝 寛式 撮影:高倉大輔
舞台には円形の美術が配置され、それが部屋になったり、時には屋外の風景になったりする。照明もシンプルでありながら、登場人物の心情表現を良く後押ししていた。「寂しさにまつわる群像劇」というキャッチフレーズの通り、それぞれの人が抱える「寂しさ」がじわじわと伝わってくるわけだが、その中にもちょっとした希望が描かれてくる。
賑やかなシーンや、クスっと笑ってしまうシーンもある。全体的にはしっとりしているんだけど、脚本の意志の強さ(頑固さ?)のようなものを感じた。
mizhen「溶けない世界と」 撮影:高倉大輔
作・演出 藤原佳奈 コメント
SNSでいろんな人の声が可視化され、良くも悪くもあまりにも個人個人が見ている世界に違うことを、より強く突きつけられるようになった気がします。
あまりにもいろんな人がいる。そして、期待したり絶望しながら一緒に生きていく。なんて愛しくて、寂しいのか。
mizhen の久しぶりの新作、どうぞお楽しみください。
小角まや コメント
みんなめんどくさくて、みんな寂しいんです、この劇。
私が演じる世子(せいこ)は、子供っぽくて甘ったれ、自分のことばっかり考えてるくせに、人から認められたい、そんなやつなんです。うーん、ていうか、私です。
初めてご一緒するにも関わらずこんなに本質を見抜いた役を書くなんて、藤原さん、恐ろしいひとです。
生きるのは、寂しい。めんどくさくて寂しい大人たちが、愛おしくなる作品にしたいな。
劇場でお待ちしてます。
mizhen「溶けない世界と」小角まや、安東信助 撮影:高倉大輔
本作は4月29日(日)まで日暮里 d-倉庫で上演される。
詳細は公式サイトで。
(文:森脇孝/エントレ)
mizhen 舞台「溶けない世界と」
【脚本・演出】藤原 佳奈(mizhen)
【音楽】UHNELLYS
【出演】
小角まや(アマヤドリ)、照井健仁、佐藤蕗子(mizhen)、安東信助(日本のラジオ)、佐藤幸子(mizhen)、百花亜希(DULL-COLORED POP)、滝 寛式(はえぎわ)、小林 樹(カムヰヤッセン)、前原麻希、藤井咲有里
2018年4月25日(水)~4月29日(日)/東京・d-倉庫
公式サイト
mizhen 舞台「溶けない世界と」
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