2018.2.2  75

女優・野口かおるが新ユニットを立ち上げ!カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』インタビュー


 ≫広告掲載のご案内


野口かおる
カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』野口かおる
 

女優・野口かおるが新ユニット立ち上げ!カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』インタビュー

 
一度観たら忘れられないほどエネルギッシュな芝居で観客を魅了し、最近ではドラマやバラエティ番組にと活躍の場を広げている女優・野口かおるさんが、“現代演技を考察し、披露”すべく新しいユニットを立ち上げました。その名も、【カオルノグチ現代演技】(略称・ノグ現)。

2月の下北沢OFF・OFFシアターでの上演に先駆け、ノグ現とは一体何なのか、『演劇部のキャリー』の見どころ、そして演劇への迸る想いをたくさん語っていただきました!

 

野口かおる
 
1976年5月6日(ゴムの日)生まれ、千葉県出身。特徴的な声質とキャラクター、演劇に対する熱すぎるほどの情熱を武器に小劇場の演劇界を中心に活躍中。近年はトーク番組、バラエティ番組にも多数出演。現在NHK-BSの「おとうさんといっしょ」に出演中。最近の主な出演作は、舞台good morningN゜5「豪雪」、パショナリーアパショナーリア「絢爛とか爛漫とか-モダンガール版-」、映画「王妃の館」、ドラマ「警部補・碓氷弘一」など。2018年は1月に舞台「私のホストちゃん REBORN~絶唱!大阪ミナミ編~」、2月にカオルノグチ現代演技「演劇部のキャリー」への出演が控えている。

『演劇部のキャリー』は“演劇の素晴らしさ”を描いた作品

 
――“カオルノグチ現代演技”を立ち上げたきっかけを教えてください。

去年の2月に入江雅人さんの一人芝居のイベントがあって、そのイベントで『演劇部のキャリー』という作品の朗読をやらないか、と声をかけていただいて。入江さんとオクイシュージさんと私の三人で、「顔合わせの本読みスタイルで公演をしよう」、という試みで、お客様の前でぶっつけ本番で台本を読む、というイベントをやったんです。
入江さんに「かおるちゃん、そこちょっと違う!」とかずっと駄目出しをされながら(笑)、そういう部分をお客さんも楽しみながら観ていただくような公演だったんですが、イベントが終わった後に、もっとこのキャラクターの造形を深めたい、という思いが残り、自分の中で不完全燃焼だったんです。

そこで、「もう一回あの作品をやらせてください」って入江さんにお願いしたら、「野口がそれができる場を作ってくれるならいいよ」って言ってくれて。なので、元々は『演劇部のキャリー』を上演する、という目的で作られた団体なんです。

 
――『演劇部のキャリー』はどんな作品なのでしょうか。

廃部寸前の二人しかいない高校演劇の話です。残った“先輩”と“ミッキー”のたった二人が、高校演劇の地区大会に挑むというお話で。ほほえましかったり青春の汗を感じたりする部室や楽屋のシーンから、一転して劇中劇があります。それはそれはもう、超スペクタクルで壮絶な物語が……ここは見てのお楽しみです!

高校生が自分の好きなことに夢中で取り組んで、その後それが一生の仕事になっていくのか、なっていかないのか、進退というのも含めて、“演劇の素晴らしさ”を描いた作品になっています。私が演じるのは、演劇が大好きなミッキーという女子高校生の役なんですが、笑いに逃げずに、瑞々しく演じたいと思っています。

 
――かおるさんご自身も高校演劇をやられていたとお聞きしました。

私は中・高一貫の女子校育ちで、高校演劇では舞台監督をやっていました。都大会、地区大会にも行くような学校で、ストップウォッチを持って袖で待機したり、道具を作ったりしていましたね。どういう演目をやるとか、地区大会で対戦する学校があるなど、まさに自分が経験してきたことではありますね。

カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』オクイシュージ、野口かおる
カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』オクイシュージ、野口かおる

 
――入江作品のどんなところに魅力を感じていますか?

入江さんの作品って、ある一時の思い出とかなつかしさみたいなものがずっと根底に流れていて、表層はすごくキラキラして元気で楽しくて笑えるものなんだけれど、その奥に流れている“哀愁”というか、終わりがあるもの、永遠じゃないもの――、そういった時間や場所に対する慈しみ、みたいなものが……なんかこういうこと話してるとすぐ感極まって泣いちゃうんですけど(笑)、そういう魅力の詰まった入江さんの作品がほんとうに好きで。大好きな入江さんとやれるのがすごく幸せですね。

 
――入江さんが大事にしている部分って、演劇の本質的なところと重なるのかもしれませんね。

昔、坂東三津五郎さんと明治座で一緒にお仕事をさせていただいたんですが、三津五郎さんがあまりにもスッと自然に袖から舞台に出ていく姿に感動したんです。「お芝居することはう○こすることと一緒だよ」って仰っていて。

 
――オン・オフがなく、シームレスにお芝居に入られる感じで。

そうなんです。入江さんもそういう方で、私なんかはすぐ「がんばるぞ!」って力が入っちゃうんですが、入江さんは「よろしくね~」ってドライな感じで、どこにも力が入ってなくて。小三治さんの落語みたいな。いつかそんなふうに、どこにも力が入らずに最高の表現ができたらいいな、って思っています。

今はあちこち力が入りながら、汗とよだれと鼻水でぐちゃぐちゃになりながら(笑)演じていますが、それはそれで“今”の自分の表現だとも思うので、まわり道もして、恥もかいて――、「恥をかく」っていうことが人生の中でも重要だな、って私は思っているので、失敗も重ねながら、いつか辿り着きたい境地ですね。

 

オクイシュージさんとの出会いは運命!?

 
――今回の二人芝居のお相手は、オクイシュージさんですね。

オクイさんとは、2015年に赤坂REDシアターで上演された『デスペラード』という作品で初めてお会いして。入江さんとオクイさんと水野美紀さんとコンテンポラリーダンスのダンサー入手杏奈さんと私の5人芝居で、その作品も演劇についての物語(演劇の専門学校で出会った5人組の話)だったんですが、「こんな方がいたのか…!」「なんで今までオクイさんのこと知らなかったんだろう!!」って後悔したくらい、生命体として圧倒的な迫力がある方だと思いました。私はいつもそういう人を追い求めているところがあるので、衝撃的でしたね。

 
――それはお芝居をしていく中で感じられたのでしょうか?

そうですね。私が「びゃびゃびゃ!」ってなったら、オクイさんも「びゃごーーーん!!」みたいな感じで(笑)、もう血流の部分でスイングできたんです。血沸き肉踊る!みたいな(笑)。「こんなふうに(自分の芝居を)受け止めてくださるんだ」、っていう喜びがあって。もう本当に「やっと会えたね…!」って感じだったんですよ。

 
――中山美穂に出会った辻仁成みたいになったわけですね(笑)。オクイさんもかおるさんに対してそう思った可能性も……。

いや、オクイさんは「面倒でやっかいな女だな」って思っていると思います(笑)。オクイさんはすごくハートのあるあったかい方で、私の中では“愛情と哀しみの人”っていうイメージなんですね。そういうものを抱えながら、目をギラつかせて静かに紳士的に生きている、という印象です。

オクイさんもすごく演劇を愛している方なので、今回この座組で“演劇”を題材としてやれる、ということにとても意義を感じています。“演劇”というものが何なのか、ということを考えながら取り組めると思うし、何より「演劇って最高だし素晴らしいんだ!」っていうことを体現しきれたら、と思います。

 
カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』野口かおる
カオルノグチ現代演技『演劇部のキャリー』野口かおる

 

「演劇に出会えてよかった」

 
――かおるさんにとって、“演劇”とは?

好きなことっていっぱいあるんですが、演劇ほどおもしろいものはない、と思っていて。こんなにわからなくて、掴めたようで掴めなくて、もっともっとできるようになりたい、って思えるものに出会えたのが幸せで……。(かおるさん再び泣く!)ほんとうに出会えてよかったし、自分が死ぬまで飽きずに楽しくやれる、っていうものを見つけられただけで、生きている意味があると感じています。
あっ、でも山登りもすごく好きなんですけど(笑)。

 
――山登りも(笑)。今回は旗揚げ公演になりますが、今後「カオルノグチ現代演技」としてどんなことをやっていきたいですか?

まずはこの『演劇部のキャリー』を成功させることが一番の目標ですが、私はお芝居が下手くそで、不器用で、できないことがいっぱいあるんですね。なので、自分が“できなさそう”と感じるものにこそ挑戦して、チャレンジの場にできればと思っています。そのひとつに、歌を練習したいな、と思っています。

 
――歌も!今後の展望がたのしみですね。それでは、最後にお客様へメッセージをお願いします。

シンプルな舞台セットに、二つの生命体がうごめいているというだけのお芝居になると思いますが、そこに演劇の無限の風景や人間の気持ち、図り知れない想いをたくさん劇場に充満させて、滾々と泉のように、“演劇”が湧き出るような舞台にいしたいと思っていますので、ぜひ観に来ていただけたらうれしいです!


インタビュー中、演劇への深い愛情が溢れて涙ぐむ姿が印象的だった野口かおるさん。
個性派俳優同士の二人芝居という濃密な空間で、その“演劇愛”をぜひ劇場で体感してみてはいかがでしょうか。
『演劇部のキャリー』は下北沢OFF・OFFシアターにて、2月22日より上演。お見逃しなく!

 

(撮影・文:古内かほ)

この記事を書いたのは

古内かほ
ふるうち かほ|ライター。小劇場からミュージカルまで、幅広く舞台鑑賞をしています。自分なりに舞台芸術の魅力を伝えていけたらと思っています。

 

 

 

公演情報

ユニット名 カオルノグチ現代演技 『演劇部のキャリー』

【作・演出】入江雅人
【出演】
野口かおる オクイシュージ

2018年2月22日(木)~28日(水)/東京・下北沢 OFF・OFFシアター

公式サイト
カオルノグチ現代演技 『演劇部のキャリー』

プレイガイドで検索
カンフェティ e-plus(イープラス)


 ≫広告掲載のご案内
こちらの記事も合わせてどうぞ!

最近の記事


 ≫もっと見る
 

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2018 Village Inc.