2017.8.1

鈴木亮平・一路真輝らが出演する舞台「トロイ戦争は起こらない」が10月5日から東京・大阪で上演



舞台「トロイ戦争は起こらない」
舞台「トロイ戦争は起こらない」フォトセッションより
 

鈴木亮平・一路真輝らが出演する舞台「トロイ戦争は起こらない」が10月5日から新国立劇場 中劇場で上演される。

 
小説家、劇作家でありながら、フランス外務省の高官としても活躍し、情報局総裁まで務めたジャン・ジロドゥ。1935年、ナチスドイツが台頭するパリで、戦争に突き進む人間の愚かしさをあぶり出し、平和への望みをかけて彼が書いた作品が「トロイ戦争は起こらない」だ。

出演は鈴木亮平、一路真輝、鈴木杏、谷田歩、三田和代など。演出は栗山民也が手がける。

 

STORY

永年にわたる戦争に終わりを告げ、ようやく平和が訪れたトロイの国。
夫である、トロイの王子・エクトールの帰りを待つアンドロマック。しかし、義妹のカッサンドルは再び戦争が始まるという不吉な予言をする。
一方、エクトールとカッサンドルの弟・パリスは、ギリシャ王妃・絶世の美女エレーヌの虜となり、戦争の混乱に紛れてギリシャから彼女を誘拐してしまう。妻を奪われ、名誉を汚されたギリシャ国王・メネラスは激怒し、「エレーヌを返すか、われわれ、ギリシャ連合軍と戦うか」とトロイに迫る。しかし、彼らの父であるトロイ王・プリアムやそのとりまきたちは、たとえ再び戦争を起こしてでもエレーヌを返すまいとする。
幾度にもわたる戦場での生活に、戦争の虚しさを感じていたエクトールは、平和を維持するためにエレーヌを返そう、と説得するが、誰も耳を貸そうとはしない。
とうとう、エレーヌ引渡し交渉の最後の使者・ギリシャの知将オデュッセウスがやってくる。果たして戦争の門を閉じることはできるのか。あるいは、トロイ戦争は起こってしまうのだろうか。宿命の罠は、愚かな人間たちが囚われ堕ちていくのを静かに狙っている―。

 

栗山民也(演出)

世界最古の物語といわれる長編叙事詩『イリアス』を、数年前に舞台化しました。その分厚い上下二巻の文庫本を読みながら強く惹かれたのは、この叙事詩が人から人へと語り継がれてきた「声」の口承だということでした。

そのなかに作品のキーワードが、いくつも浮かんで見えてきます。戦争、暴力、権力、家族、愛、不信そして孤独。それらは、ギリシャの昔から今のわたしたちにも繋がれているものばかりで、その神話をもとに1935年にフランスの劇作家ジャン・ジロドウによって新たに書かれたのが、今回の『トロイ戦争は起こらない』です。この戯曲は、第二次世界大戦勃発の危機を予感し、力強く精緻に、そして詩的にも醜く歪んだ光景の数々を映し出します。そのジロドウの平和への願いも空しく、フランスはその4年後にドイツ軍の侵入を受けるのですが。ジロドゥ自身、この作品の主題に「戦争と平和」を祈る、と記しています。

この劇の主人公であるエクトールは、「相手を殺すのが、まるで自殺のようだった」と語ります。現在の核の時代では、一つの国家や民族だけでなく、それは全人類の自殺を意味することになるでしょう。自ら創り出したものに滅ぼされていくことこそ、繰り返される人間の歴史なのですが、この劇の奥底から、今も続く愚かな戦争のいくつもの断面が、炙り出されてくるのです。

この文章を書いている今、テレビから沖縄の戦後72年の「慰霊の日」の映像が流れています。国籍など問わず、すべての犠牲者の名を刻んだ「平和の礎」に込めた多くの人の思いを、こころに刻みます。そして、文学や芸術の持つ普遍の力を、再び思います。この最悪、最低の政治状況のもとで、この作品の「人間と時代について」の有効性を、見つめてみたいと思います。

  
本作は新国立劇場で上演された後、兵庫兵庫県立芸術文化センターでも上演される。

(文:エントレ編集部)

公演情報

舞台「トロイ戦争は起こらない」

【作】ジャン・ジロドゥ
【翻訳】岩切正一郎
【演出】栗山民也

【出演】
鈴木亮平 一路真輝 鈴木 杏 谷田 歩 
江口のりこ 川久保拓司 粟野史浩 福山康平 野口俊丞 チョウ ヨンホ 金子由之
薄平広樹 西原康彰 原 一登 坂川慶成
岡崎さつき 西岡未央 山下カオリ 鈴木麻美 角田萌果
花王おさむ 大鷹明良 三田和代

2017年10月5日(木)~22日(日)/東京・新国立劇場 中劇場
2017年10月26日(木)、27日(金)/兵庫・兵庫県立芸術文化センター

公式サイト
舞台「トロイ戦争は起こらない」

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