2017.7.4  63

野村萬斎 演出・出演! 七たび上演が重ねられてきた傑作「子午線の祀り」が7月5日に開幕


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世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司
世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司
 

野村萬斎が演出・出演する舞台「子午線の祀り」が、プレビュー公演3公演を終え、7月5日(水)から開幕する。出演は成河、河原崎國太郎、今井朋彦、村田雄浩、若村麻由美など。

 
「子午線の祀り」は、「平家物語」を題材に「天」の視点から人間たちの葛藤を描いた物語。平知盛や源義経を始めとする源平合戦にかかわった登場人物たちを躍動感をもって浮き彫りにし、心理描写も巧みな壮大な歴史絵巻に仕立て上げる。

また日本語の「語り」の美しさと荘厳な響きを引き出す「群読」という独特な朗誦スタイルが随所に用いられており、演劇史に残る傑作と言われている。

今回は世田谷パブリックシアターの芸術監督である野村萬斎が演出を手掛け、野村萬斎自身に加え、成河、河原崎國太郎、今井朋彦、村田雄浩、若村麻由美らが出演する。

世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司
世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司
 

STORY

歴史上名高い源平の合戦。次第に平家の旗色は悪くなるばかり。兄・平宗盛(河原崎國太郎)に代わり平家軍を指揮する平知盛(野村萬斎)は、一の谷の合戦で、源義経(成河)の奇襲を受け、海へ追い落とされる。以来、武将となって初めて自分に疑いをもちつつ、知盛は舞姫・影身の内侍(若村麻由美)を和平のため京へ遣わそうとする。

平家を支える四国の豪族・阿波民部重能(村田雄浩)は、三種の神器を楯に主戦論を唱え、知盛を立てて新しい日本国の存立を画策しようとする。知盛は平家滅亡を予感しながらも、後白河法皇の過酷な要求を拒絶し、徹底抗戦の道を選ぶのだった。

一方、源義経は、兄頼朝から目付役として遣わされた梶原景時(今井朋彦)と対立しながらも、源氏方の先頭に立って慣れぬ海戦も乗り越えますます勢いづいていく。

そしてついに両軍は壇の浦の決戦の日を迎える――。

 
世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司
世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司

野村萬斎 [演出/新中納言知盛(平知盛)役]
『子午線の祀り』は古典と現代劇、古(いにしえ)と今、西洋化した現代日本と古き日本が結びつくような作品だと思います。タイトルは英訳すると『Requiem on the Great Meridian』になるのですが、今回の新演出では人間の死を悼む儀式、レクイエムということを考え、弔いのシーンから始めています。また劇中、独白、対話、群読があり、対話以外は語りですが、それぞれソロとデュエット、コーラスという声のバリエーションになっていて、短調もあれば長調もあるという交響楽のような日本語の音楽性や、叙事詩としての魅力もあります。私自身も演じるのが三度目になる平知盛の、このアリアのような台詞をきっちり語り、歌い上げたいと思っています。
プレビュー公演を経て、さらに色々なものが見えてきています。「平家物語」を題材にした壮大な作品ですので、万全を期して本公演初日に臨みます。

本作の舞台となる一ノ谷、屋島、そして壇の浦の合戦について少し思い出していただけたら、本作の楽しみ方が増えるかもしれません。そして開演直前から作品の世界へ導くような演出が始まりますので、お早目にご着席いただければ幸いです。世田谷パブリックシアターでお待ちしております。

成河 [九郎判官義経(源義経)役]
義経という人物の“純粋さ”に僕は一番惹きつけられています。また「言葉に従事する表現」というものの奥深さと難しさを日々痛感しながら、自分のなかでとても大きな化学変化が起きている気がしていまして、もう一段ステップアップできる機会だということを強く噛みしめています。
このような演劇を演じる方も観る方も一緒になって体験することは、人間が生きていく上で色々なことがある時に、人生というものを超えていくための、すごく優しい訓練の一つの形なのかなぁという気がしています。この作品を通して、演劇は何のためにあるのかを改めて考えたり、発見させてもらえたり、それがとてもありがたい毎日です。

河原崎國太郎 [大臣殿宗盛(平宗盛)役]
いよいよ始まる本公演初日に向かって、楽しみな気持ちが出てきました。プレビュー公演の初日は、どのように受け取っていただけるのかという不安もある中で迎えたのですが、お客様の反応を直に感じてひとつの確信を持つことができました。
『子午線の祀り』という作品の持つ力、言葉の力は素晴らしいですが、世田谷パブリックシアターという劇場空間も今回、作品にぴったりと合っていると思います。その中で、平宗盛を体現していく一役者としての自分と、平宗盛としての自分との両方を舞台の上で感じながら、良い本公演の初日を迎えられればと思っています。

今井朋彦 [梶原平三景時役]
よく言われますが、芝居の最後のピースは“お客様”です。いくら稽古場で本番を想定して稽古をしていても、実際には最後にお客様が入ってわかることがあります。その気づきをどう生かし、千穐楽までこの作品を進化させる力になれるかを考えている……今はそんな心境でございます。
源平の戦いを描いたドラマに「群読」という特殊なスタイルが入る、一筋縄ではいかない魅力を持つ作品です。本当は自分の役を一度だけ誰かに預けて、客席から完成した作品を観てみたい!という想いに駆られているのですが、「いけないいけない、自分には役割があった」と思い直し(笑)、日々演じています。

村田雄浩 [阿波民部重能役]
私が演じる四国の豪族・民部は人間の機微や裏表というものを深く深く持っている、やりがいのある役だと改めて感じます。純粋に知盛との主従関係を全うする気持ちがありながらも自分の主張があり、知盛や平家に及ぼす影響もわかっていながら画策めいたことをしてみたり。やればやるほど色んな風に見えてきます。萬斎さん演じる知盛とがっぷり四つに組む芝居が多いので、プレビューを経て、お互いにどんどん高まっていく感じがします。
それにしても『子午線の祀り』は大変な、すごい作品です。ここ数日でもどんどんと進化しているこの芝居、戯曲、群読というものを更に突き詰めていきたいと思います。

若村麻由美 [影身の内侍役]
原典「平家物語」の“諸行無常”を『子午線の祀り』では“非情の相”と読み取りましたがその深遠さを思い知りました。古典に根ざしてジャンルを超えた演出家ならではの新演出は、群読とフォーメーションをジャンルの異なる演劇人が、デジタル時代にチーム一丸人力戦で挑戦します。それは木下順二の「非情の相を見定めよ」を未来に繋ぐことだと感じました。
影身の内侍は巫女。未来を知り天の言葉を伝える役目。体現するのに苦しみましたが劇場空間に入って「彼岸と此岸、更にその彼岸」の構造がよくわかり、美術・照明・音楽に支えられ、プレビューの一瞬一瞬が驚くほど新鮮でした。それはキャスト全員が生き抜く様を見守る立場だからかもしれません。

世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司
世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』(2017)撮影=細野晋司

 

(文:エントレ編集部)

公演情報

世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演「子午線の祀り」

【作】木下順二
【演出】野村萬斎
【音楽】武満徹

【出演】

野村萬斎    … 新中納言知盛
成河      … 九郎判官義経
河原崎國太郎  … 大臣殿宗盛
今井朋彦    … 梶原平三景時
村田雄浩    … 阿波民部重能
若村麻由美   … 影身の内侍

佐々木梅治 観世葉子 小嶋尚樹 星智也
月崎晴夫 金子あい 円地晶子 篠本賢一
内田潤一郎 時田光洋 松浦海之介 嵐市太郎

岩崎正寛 浦野真介 駒井健介 西原康彰 神保良介
武田桂 遠山悠介 三原玄也 森永友基
宇田川はるか 香織 田村彩絵 吉川依吹

2017年7月1(土)~7月23日(日)/東京・世田谷パブリックシアター

公式サイト
舞台「子午線の祀り」

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