「忠臣蔵」の真実が浮き彫りに!? こまつ座「イヌの仇討」が7月5日からサザンシアターで上演

こまつ座「イヌの仇討」出演者
こまつ座の舞台「イヌの仇討」が7月5日から紀伊國屋サザンシアターで上演される。演出は桟敷童子の東憲司。
本作「イヌの仇討」は1988年の初演以来 上演されていない いわば幻の作品。
井上ひさしが独自の視点で忠臣蔵を見つめ直し、“悪役”とされた吉良上野介側に寄り添い、「世論」や「権力」から見放され翻弄されながら、それらに立ち向かっていく姿を描いた、忠臣蔵“異聞”ともいえる作品だ。
赤穂四十七士の吉良邸への討ち入りの夜、吉良上野介らの生と死を懸けた緊迫の数時間。吉良と赤穂浪士との駆け引きが吉良側の視点から語られる。
赤穂四十七士による吉良邸討ち入りの夜。吉良上野介は、将軍・綱吉公のくだされもののお犬さまと共に、側女(そばめ)・お吟の導きの元、狭く暗い隠し部屋に息を潜めた。忠実な家臣たち ――御女中頭・お三さま、上野介の側近三人衆の清水一学(いちがく)、大須賀治部右衛門(おおすがじぶえもん)、榊原平左衛門、お犬さま付御女中のおしんとおしの―― も行動を共にした。
混乱の最中の一同に、坊主・牧野春斎は赤穂側の様子を探っては報告を入れ、吉良邸へ潜んでいた盗ッ人・新助は吉良側の知らない巷の世論を伝える。「仇討ち」に納得のいかない上野介は赤穂浪士の筆頭・大石内蔵助の思惑を探ろうとするが、一向に見えない。
恐怖に震える吉良邸の一同は、「討ち入り」への疑義、「名誉」への拘り、「忠義」の誓い、「生」への情念が渦巻いては衝突し、次第に追い詰められていく……。
大谷亮介 コメント
子供の頃から忠臣蔵の話が嫌いで、最後に殺される吉良上野介という何だか悪そうな名前の老人が気の毒で仕方がなかったが、何とその役をやらせて頂くことになった。こまつ座でも、すまけいさんが吉良を演じた初演以来の再演である。
身の引き締まる思いであるが、どうせ死にゆく者の役ならば、死んだつもりでやってみようと思っている。
彩吹真央 コメント
吉良上野介の側妻、お吟を演じます。戯曲を拝読した時、お吟はただひたすら上野介を想い忠義を誓う、本当に行火、湯たんぽの様な、明るく優しい女性、というのが第一印象でした。
「忠臣蔵」の裏側の想像の世界にスポットを当て、人間の強さと弱さ、そして尊さを描かれた井上先生のメッセージを全身全霊で受け止め、初のこまつ座さんの舞台に挑戦させて頂きます。ぜひ、劇場にお越し下さい!
三田和代 コメント
台本を読んだ時心がふるえた。何故赤穂事件は美談になったのか。吉良上野介は炭小屋に隠れていた二時間何を考えていたのだろう。六十二才の老人の反骨精神、人間の尊厳への問いかけ。井上ひさし流の鮮烈な歴史解釈。稽古インを前にしてワクワク緊張の今、吉良家女中頭お三のセリフが早くも身体中をかけめぐる。
「眼をかっと見開いて心に張りを持たせていなさい!」。
「もうすぐ稽古イン!」
チケットの一般発売は5月13日(土)から。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
こまつ座 第118回公演「イヌの仇討」
【作】井上ひさし
【演出】東憲司
【出演】
大谷亮介 彩吹真央 久保酎吉 植本潤 加治将樹 石原由宇 大手忍 尾身美詞 木村靖司 三田和代
2017年7月5日(水)~23日(日)/紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMATA
2017年8月4日(金)/川西町フレンドリープラザ
2017年8月6日(日)/酒田市文化会館
公式サイト
こまつ座 第118回公演「イヌの仇討」
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