2016.11.8

これを入れたら楽しいという要素が全部乗せ! 松たか子×森山未來 舞台「メトロポリス」観劇レビュー


 ≫広告掲載のご案内


メトロポリス 舞台写真
舞台「メトロポリス」舞台写真 左から松たか子、森山未來 撮影:細野晋司
 

これを入れたら楽しいという要素が全部乗せ! 松たか子×森山未來 舞台「メトロポリス」観劇レビュー

 
シアターコクーンで『メトロポリス』を観させていただきました。
原作は1927年に公開されたフリッツ・ラング監督による同名作品です。いわゆるディストピアものですね。

念のためディストピアについてざっくり解説をすると、”一部の支配者に徹底管理されて平和だけど、支配者階級ではない大部分の人には自由も尊厳もない社会の話”となるでしょうか。

今回の舞台『メトロポリス』もそんなディストピアもので、近未来を舞台にしたSF作品です。

 
メトロポリス 舞台写真
舞台「メトロポリス」舞台写真 松たか子、森山未來 撮影:細野晋司
 
原作がある舞台と言えば、近年だと2.5次元舞台の勢いがスゴイですが、2.5次元舞台がキャラクターや世界観の再現性が1つの評価点になる一方で、本作はそういった点には重きを置かずに演劇としての面白さ・完成度に注力しているように感じました。

「映画史上最も美しいロボット」と呼ばれるマリアのデザインは原作を踏襲していますし、当然ながら落としてはいけないところはキチッと拾っています。
逆に渋谷のシアターコクーンでこの座組で上演するからこそ意味があるシーンやセリフも組み込まれています。

ストーリーは比較的シンプルですが、劇中では丁寧に物語を説明しているわけではないので、これから観る方は公式サイトのあらすじを読んで行くのがきっとおすすめです!

 

楽しい!が全部乗せ!

メトロポリス 舞台写真
舞台「メトロポリス」舞台写真 森山未來 撮影:細野晋司

さて。じゃあ、演劇としての面白さとはなんぞやという話になりますが、演出を担当された串田和美さんは公演チラシの中で「演劇の持つ幅広い楽しさを全部盛り込んで芝居を創ってみたい」と話されています。

なるほど、この一言につきる! と感じました。

基本となる舞台美術は骨組みの組み合わせなんですが、こういった無機物なものを組み合わせて様々なものを表現するという小劇場でよく見る手法を使ったと思えば、と思いきや映像を使った最新鋭のプロジェクションマッピングのような手法も入ってくる。

新しい手法でいくのかと思えば随所随所で生演奏や生SEなどアナログな表現手法が入ってきたりして我々観客を刺激し続けるんですね。

 
メトロポリス 舞台写真
舞台「メトロポリス」舞台写真 松たか子 撮影:細野晋司

他にも王道ミュージカルのように松たか子さんが歌ったり、別のシーンではアンサンブルを駆使したアングラっぽい表現やコンテンポラリーダンスのような表現が出てきたりしますし、また別のシーンでは映画のカット割りのような珍しい手法や、ストロボを使ったコマ送りのような派手目な演出など、見たことも無いような手法も取り入れられています。

つまり、串田さんの言葉通り、”これを入れたら楽しい”という表現が全部乗せになっている舞台なんです!!

何でもかんでも詰め込むとバランスを崩して雑多になりそうですが、そこは実力者揃いの舞台。バラバラなことをやっているんですけど軸はぶれていないので雰囲気はきっちり統一されています。さすがです。

普通の方はもちろん楽しいですが、きっと演出家志望の人が見たら さぞ楽しいんだろうなー、と思いました。

 
本作は現在上演中。11月30日まで渋谷のシアターコクーンで上演されます!

(文:近藤悠季

公演情報

舞台「メトロポリス」

【原作】テア・フォン・ハルボウ 『新訳 メトロポリス』(中公文庫)
【演出・美術】串田和美
【出演】

松たか子、森山未來、飴屋法水、佐野岳、大石継太、趣里、さとうこうじ、内田紳一郎、真那胡敬二、大森博史、大方斐紗子、串田和美
伊藤壮太郎、島田惇平、浅沼圭、坂梨磨弥、髙原伸子、摩耶リサ、安澤千草

【ミュージシャン】
平田ナオキ、エミ・エレオノーラ、青木タイセイ、熊谷太輔

2016年11月7日(月)~11月30日(水)/東京・Bunkamuraシアターコクーン

舞台「メトロポリス」 公式サイト
ぴあでチケットを購入icon
ローチケでチケットを購入icon

この記事はお役に立てましたか?
以下の「フォローする」を押してください! あなたのフェイスブックに演劇情報(ときどき舞台動画)をお届けします! よろしくお願いします!!(エントレ編集部)


 ≫広告掲載のご案内

Tag (キーワード)

この記事を書いたのは

近藤悠季
作家。舞台脚本だけじゃなくて映像脚本、サウンドドラマ脚本などなど書いています。ライブや観劇中にネタが浮かぶクセがついていてお金がかかることが悩み。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事と次の記事

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



ZUTTO
Copyright 2017 Village Inc.