松尾敏伸主演 三好十郎「冒した者」11月に新宿シアターモリエールで上演
早世の劇作家・三好十郎が遺した戦後思想劇「冒した者」が松尾敏伸主演で11月23日から新宿シアターモリエールにて上演される。
1952年に発表された今作は、敗戦後の復興期の中で生気を失って、或いは生だけを頼りに生きる人々が、自分の本能に従い人を殺した男の出現に触発され、抑圧してきた自らの素直な欲望と向き合う姿を描いている。戦後を生きた人間ならば必ず感じたであろう息苦しさを、三好はこの作品の中で開放した。それから64年の時を経て、作品は新たなステージへ上がる。
主演はジュノンスーパーボーイコンテスト準グランプリを受賞し芸能界デビュー、蜷川幸雄演出「ジュリアス・シーザー」、ドラマ「真珠夫人」の荘田種彦役で鮮烈な印象を放って以来、蜷川幸雄作品などで俳優として着実に活動を続け、今年デビュー20周年を迎えた松尾敏伸。
繊細な印象の彼が、この作品の主観軸をどのように演じるかも見どころの一つとなるだろう。
戦後の東京郊外。元満州国の大官の屋敷には9人の人間が暮らしている。医師と その妻、医師の弟の大学生、元芸者、株屋とその娘、管理人とその遠縁で盲目の 少女、そして妻を亡くした“私”・・・。皆、気の良い人たちで一つ屋根の下、 穏やかな暮らしを送っているが、人を殺した須永という男が現れたことから、 屋敷は大混乱へ陥っていく。次々と伝染するように目を覚ます彼らの闇と欲望。
人間が人間として冒してはいけない一線を超えた先にあるものとは。
僕の恩師、故 蜷川幸雄さんが天国から「この作品を受け、挑戦しろ、お前の中で“何か”が 変わるから」と言ってる様で、、、
だから、この“私”役を快く引き受けさせて頂きました。
今、初三好十郎作品という重圧やたくさんの重圧と闘いながら、日々頑張っています。
最後まで諦めずに演じ切りたいと思います。
新しい僕の挑戦と新たな僕の発見を楽しみに、どうぞ皆様、劇場まで足をお運び下さい。
松尾敏伸
望月純吉(演出)
上演に寄せて
鋼とは、強靭で堅固な合成金属で、鋼鉄ともよばれる。語源は刃金から。
高温燃焼、他の金属を合成し鋼は強くなる。
「私は冷たい鋼鉄のように生きるであろう」主人公、私の言葉。
愛する人との真の別れを新たな人生に投下する。
厭世から再起する瞬間、生きる力を辛辣に描きたい。
文学座 望月純吉
同じく三好十郎作の「浮漂」も戦後の話。しかし、現代の我々が観ても全く古く感じなかった。
本作も現代に生きる俳優の体を通して、ますます生き生きと現代の我々に訴えかけてくる作品になるにちがいない。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
笛井事務所第8回公演『冒した者』
【作】三好十郎
【演出】望月純吉(文学座)
【出演】
松尾敏伸 / 吉野貴大 / ナカムラユーキ / 柏原優美 / 杉山薫 / 川崎誠司 / 忠津勇樹 / 荒川大三朗 / 青山夕夏 / 奥村飛鳥
<東京公演>
2016年11月23日(水・祝) ~28日(月) 新宿 シアターモリエール 全10公演
<山梨公演>
2016年12月20日(火) コラニー文化ホール 小ホール 全2公演
≪前売料金≫
東京公演 全ステージ共通
指定席一般:4,500 円 ステージシート:4,500 円 学生当日引換券 ¥3,500
山梨公演 全ステージ共通
全席自由3,000 円
≪当日券料金≫
東京公演 全ステージ共通 指定席一般:5,000円
山梨公演 全ステージ共通 全席自由3,000 円
≪チケット取り扱い≫
一般販売 東京公演 2016年10月1日~発売中
山梨公演 2016年11月1日~発売開始
▼カンフェティ(東京公演のみ)
http://www.confetti-web.com/
電話受付 0120-240-540(カンフェティチケットセンター・通話無料)
▼コラニー文化ホール(山梨公演のみ)
http://www.yamanashi-kbh.jp/
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