【動画6分】あやめ十八番が新旧二本立てに挑む! 稽古場潜入・劇団員4人にインタビュー!
あやめ十八番が劇団初の新旧二本立てに挑戦。代表作の再演の意味、新作の魅力について劇団員4人に聴いた。
花組芝居の俳優・堀越涼が主宰を務めるユニット、あやめ十八番。第三回、第四回クォータースターコンテストにて2年連続、優秀作品賞を受賞を獲得、旗揚げ2年で公演動員数1000人を達成するなど、今、注目される団体の一つだ。
「江戸系 紅千鳥」(第3回クォータースターコンテスト 優秀作品賞 受賞作品)
「江戸系 猿踊」(第4回クォータースターコンテスト 優秀作品賞 受賞作品)
この、あやめ十八番の次回公演は、代表作「江戸系 諏訪御寮」の再演と、新作「ゲイシャパラソル」の二本立て。
果たして、二本立ての意図するところは? ゲイシャパラソルの全貌は?
エントレでは稽古場を訪れて、劇団員4人(堀越涼・大森茉利子・金子侑加・笹木皓太)に直接話を伺った。
―――劇団としては初めての二本立てですね。
堀越涼
「今までは『演劇は中身だ』ということで企画に対してはゆるい部分があったのですが、団体が大きくなっていく中でパッケージングにもこだわった作品をやった方がいいんじゃないかなということで、二本立てにしました。」
笹木皓太
「(演目選びの際に)落語をやろう、人がいっぱい出てくるものをやろうという案もありましたね。」
堀越涼
「そうそう、じゃあ、ありものを現代風に書き換えたものをやろうかと言ったら、大森と笹木からすごく反対されたんです。」
笹木皓太
「再演と、そういうのだと、結局堀越さんがゼロから作ったものが無くなって、『堀越これは、書けなくなったか』と言われたらめちゃくちゃムカつきませんかって、すごく言った覚えがあります。」
堀越涼
「じゃあ、新作にしようかと言って、今、地獄の苦しみを味わっています。笹木のせいです(笑)」
―――再演「江戸系 諏訪御寮」について
堀越涼
「陰陽道を使って人々を正しい方角に導くという【拝み屋】という職業があるというのを母から聞いた時に、面白いなと思って作ったのが本作です。陰陽道という話ですから日本古来のものを出したいなと思って、チラシにも載っていますが鬼みたいなものを出したいなと思って、そこから発想したお話です。
青年と少女の恋みたいなものを 拝み屋の家とを絡めて・・・というストーリーです。」
堀越涼
「日本で鬼っていうと、恐ろしいものだっていうのは、おそらく日本に住んでいる方だったら誰もが連想すると思うんですよ。小さい頃、おとぎ話に出てくる鬼が、子供の時は怖くて、中学生ぐらいになるとだんだん怖くなくなって、今この年になると、いよいよ本当にいたら恐ろしくなるんですよね。だから、そういうのを出せたら面白いんじゃないかなと思っています。」
―――新作「ゲイシャパラソル」について
堀越涼
「あやめ十八番の作品タイトルは、全て本物のあやめの名前から取っているんですけども、インパクトあるものを出したいなと思った時に、海外の品種で『ゲイシャパラソル』っていうのがあった時に、『物語が動きそうだな』と思ってタイトルを先に付けたんですね。」
堀越涼
「一つ、あるシーンがポーンと浮かんじゃったんですね。それは、『名前を取り換えっこした芸者たちが、お座敷で大騒ぎしている』というシーンだったんです。強いテーマで言えば『名前とは何だろう』ということ。つまり、名前を取り換えっこすると、存在の取り換えっこに近しいものが生まれるんじゃないかな、というのを書いています。」
大森茉利子
「『江戸系 諏訪御寮』に負けないように。それは一番思っています。これまでのあやめ十八番の代表作である『江戸系 諏訪御寮』と、新作で並ぶものなので、ゲイシャパラソルも新たな代表作にしないと企画の意味がわからんなと思うんです。今回は主演を務めさせて頂きますので、気合は満タンで臨みたいと思います。」
堀越涼
「『ゲイシャパラソル』の金子の役は、ちょっと面白いと思います。」
金子侑加
「これは、ナイショなんですか?」
堀越涼
「ここはちょっとナイショにしておこうか!」
金子侑加
「片方だけ観た方には・・・、」
堀越涼
「・・・そうですね、両方観てください!金子の役が面白くなってくるのは、両方観たときです!」
―――音楽も面白そうですね
大森茉利子
「アフリカの民族の楽器・ダラブッカというのが出てきます。」
堀越涼
「ダラブッカ VS 三味線ですよ。熱いぜ。」
大森茉利子
「お座敷に、三味線とダラブッカとエレキギター。」
堀越涼
「これで、音楽面からしても面白くなると思います。」
―――オススメはどちらですか?
堀越涼
「初めて観る方は『江戸系 諏訪御寮』をオススメします。自信を持ってお届けできるからです。チャレンジしたい方は『ゲイシャパラソル』を観に来てください。こちらはどうなるかわかりません。新しい表現の扉を開こうという作品でございます。あやめ十八番のことが好きな人は両方観に来てください!」
あやめ十八番の演劇動画「江戸系 紅千鳥」、「江戸系 猿踊」だけを観ていると とても和風な雰囲気の劇団かと思いきや、2015年4月の公演「長井古種 日月」はわりとSF的なテイストだったりもする。今回も和風なテイストを感じつつも、それだけではない新しい展開を見せてくれそうな予感がした。
詳しくは公式サイトで。
あやめ十八番 第六回公演「江戸系 諏訪御寮」「ゲイシャパラソル」 公式サイト
(文:エントレ編集部)
公演情報
2016年5月27日(金)~6月5日(日)
東京都 サンモールスタジオ
脚本・演出:堀越涼
出演:大森茉利子、金子侑加、笹木皓太、堀越涼、北沢洋、熊野善啓 / (以下「江戸系 諏訪御寮」のみ)美斉津恵友、加藤素子、中島美紀、土佐まりな、原川紗弓、ミヤタユーヤ、加藤唯 / (以下「ゲイシャパラソル」のみ)和知龍範、塩口量平、木原実優、小口ふみか、田口真太朗、安東信助、石田迪子、森川陽月
音楽:丸川敬之、吉田悠、新内勝喜、十倉彩子、森村典子
詳細は公式サイトで。
あやめ十八番 第六回公演「江戸系 諏訪御寮」「ゲイシャパラソル」 公式サイト
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