2016.4.21

【動画5分】舞台「ダークマスター」3度目の再演に挑む/「庭劇団ペニノ」タニノクロウにインタビュー


タニノクロウ(庭劇団ペニノ)に聴いてみる
タニノクロウ(庭劇団ペニノ)

エントレのインタビューシリーズ「演劇人に聴いてみる」。今回は庭劇団ペニノを主宰するタニノクロウに話を聴いてみた。

 
エントレのインタビュー企画「演劇人に聴いてみる」。先日、「地獄谷温泉 無明ノ宿」で岸田戯曲賞を受賞。国内外を問わず活躍を続けるタニノクロウ(庭劇団ペニノ 主宰)に単独インタビューした。緻密な舞台美術と、際立った物語の世界観・・・。彼の創造のルーツに迫る。【動画5分】

 
―――大学一年のクリスマス会、タニノは友人にある企画に誘われる。

 
タニノクロウ
「見よう見まねで演劇みたいなことをやろうという企画が持ち上がって、役者として参加することになったんです。実際にやってみたらすごく面白かった。大学に演劇部は無かったんですが、一年生の仲間で演劇部を立ち上げました。」

タニノクロウ
「3年生になるまで、役者として出ていたのですが、自分でも脚本を書いたり、演出したりしてみたいなと思うようになって劇団を立ち上げました。もちろんメンバーは当時の演劇部の数人を役者で出演するという小さいものでした。」

 
タニノクロウ(庭劇団ペニノ)
タニノクロウ(庭劇団ペニノ)

―――こうして生まれたのが庭劇団ペニノ。名前の由来は?

タニノクロウ
「絵を描いたりすることが好きだったのですが、その絵を描く時の感覚がひとつのスペースに庭を飾っていくような印象を持っていて、僕自身も庭が好きだったので、それで劇団の頭に『庭』と付けました。

『ペニノ』っていうのは、中学生の頃、人の苗字の頭にペニスの『ペニ』をつけて、みんなで遊んでいたんですね。例えばペニハラとか、ペニバヤシとか、それで僕がペニノって言われてて。それを思い出していいなと思ったんです。直観的だし、理屈をこねて作るよりも、衝動的に物を作るっていう意味でも合っていると思ったので、これを組み合わせました。」

 
庭劇団ペニノ「環と紫煙のアンギュラム」
庭劇団ペニノ「環と紫煙のアンギュラム」

―――2004年には渋谷の自宅マンションを改築し、自身の小劇場「はこぶね」を竣工。ここからペニノ独特の舞台創作が始まった。

タニノクロウ
「言ってしまえば、24時間使えるわけです。全て最初は絵を描いて、セットを作ったりしながら創作を始めたんです。ストーリーなんかは全く関係ないまま。」

苛々する大人の絵本
庭劇団ペニノ「苛々する大人の絵本」

タニノクロウ
「こういう空間が出来上がっていたら人は驚くだろうなとか、当時見た夢などを舞台美術化していきました。
さらに小道具を作った後に明かりを入れてみて、この空間からどういう音が流れているのかとか、そういうところを作ってから俳優を呼んで、ここからどういうせりふや、物語が出来てくるのかというのを考えました。つまり、逆の方向から作って行ったんです。」

タニノクロウ
「自分はこういう色が好きなんだとか、こういうことに興味があるんだとか、そういうものがだんだん明確になっていった時間でした。」

 
―――独特な創作スタイルから生み出される舞台美術。物語の世界観が注目を集め、2015年には地獄谷温泉 無明ノ宿で第60回岸田國士戯曲賞を受賞。
ペニノ以外の様々な公演で演出を手掛けるなど、ますます精力的に活躍を続けている。

庭劇団ペニノ「地獄谷温泉 無明ノ宿」
庭劇団ペニノ「地獄谷温泉 無明ノ宿」(岸田戯曲賞受賞作品)

 

次回作「ダークマスター」3度目の再演に挑む

―――そんなタニノが次に臨むのは、ダークマスターという作品。今回で3度目の再演となる本作はどのような舞台になるのだろうか?

庭劇団ペニノ「ダークマスター」
庭劇団ペニノ「ダークマスター」

タニノクロウ
「原作は20ページくらいの短編漫画で、これを土台に戯曲化したものです。漫画とはまた違う味付けをしてあります。

ある男がふらっと街の小さな洋食屋にやってくる。そこのマスターに『明日からこの店をやってくれ』と言われて小さなイヤホンを渡されるんです。『マイクで全部指示するからお前はその通りに動けばいいんだ』と命令され、次の日から男はその店のマスターになるわけです。

毎日声だけは聞こえてくるけど、マスターは姿を現さなくなる。声だけが聞こえてくる中で、だんだんシンクロしていくというか。洗脳されていくというか。」


庭劇団ペニノ「ダークマスター」稽古風景動画

タニノクロウ
「お客さんにも男と同じ体験をしてもらいたいと思い、本作では観客も全員イヤホンをつけて頂きます。つまりマスターからの指示がお客さんもイヤホン越しに聞けるんです。

お客さんが全然入らなかった小さな洋食屋が、マスターが変わることによってどんどん繁盛していくっていう流れなんです。最初はぎこちなく作っていたのが、最後のシーンでは同時に5品を見事に作るようになるんです。

小劇場なので料理の匂いが充満する。イヤホンからはマスターの声が聞こえてくる。いろんな感覚を刺激される舞台になると思うので、そこを是非楽しんでもらえたらと思っています。」

タニノクロウ(庭劇団ペニノ)
タニノクロウ(庭劇団ペニノ 主宰)
 


今回は大阪に滞在し、関西のスタッフ・俳優と本作を作り上げるとのことなので、これまでの作品とはまた違った味わいが生まれそうだ。

本作は大阪オーバルシアターで5月5日から上演。東京は2017年2月に上演予定とのこと。

詳しくは庭劇団ペニノの公式サイトで。
庭劇団ペニノ 公式サイト

(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)

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公演情報
庭劇団ペニノ『ダークマスター』<新演出・大阪初演>

【作・演出】タニノクロウ
【出演】緒方晋 / 井上和也 / 大石英史 / FOペレイラ宏一朗 / 坂井初音

「男」役:井上和也
5月8日(木)19時
5月9日(金)19時
5月10日(土)14時・18時30分
5月11日(日)14時

「男」役:FOペレイラ宏一朗
5月12日(木)19時
5月13日(金)19時
5月14日(土)14時・18時30分
5月15日(日)14時

2016年5月5日(木)~15日(日) 大阪/Oval Theater

☆滞在製作:4月16日(土)〜27日(水)兵庫/城崎国際アートセンター
☆東京公演:2017年2月上旬 東京/こまばアゴラ劇場 予定

庭劇団ペニノ『ダークマスター』公式サイト

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この記事を書いたのは

森脇孝
エントレの代表者。撮影・編集・記事の作成まで、いろんなことを担当しています。今でも忘れられない芝居は、NODA・MAP「半神(1999)」、劇団☆新感線「蛮幽鬼(2009)」、イキウメ「散歩する侵略者(2011)」など。京都出身。

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