2015.12.7
QSC4 演劇業界人レビュー結果発表!
第4回クォータースターコンテストの演劇業界人レビューの結果を発表します!
各地で活動されている演劇業界人6名にノミネート作品12本を視聴して頂き、それぞれの作品に一言ずつレビューを頂きました。賛否両論あり、それぞれの視点あり、とても面白いコメントを頂けましたので、是非お読みください!
また、まだこれらの作品を見たことが無い方は、どれから観るか参考にして頂けたらと思います!
劇団名 作品タイトル |
レビュー |
あやめ十八番 江戸系 猿踊 |
皆さんそんな言い争ってないで早くしないと舞台が空っぽですよ!と、つい本気で焦ってしまいました。反響が大きく、台詞が少し聞き取りにくいのが残念です。 |
明日の能天気 『十月二十日:地鏡』あるいは『RASHIN』 |
作品説明の時間が長く感じられるのと、なぜこの出来事を作品にしたのか、何を伝えたかったのかがあまり明確に受け取れませんでした。冒頭の説明を無くしても、作品として成立するポイントが欲しかったように思いました。 |
百舌 N.O.A. |
よく練られた構成で、セリフもしっかり聞き取れるので集中して観られました。生身の登場人物が一人だけで、しかも同じ場所から動かない状況で、15分飽きさせないのは脚本、演出、俳優の総合力だと感じました。ノアとマコトの距離感も良かったです。 |
ホリグチタイセイ 不適なロケーション |
面白いアイディアでした。巻き戻っているようで、どんどん手前に展開しているのも良かったです。若干雑な巻き戻り方もおかしかったです。 |
ごはん部 かえる的懐疑論 |
2人目が繰り返したあたりで先が読めてしまい、いつ新たな展開になるかと見続けましたがそのまま終わってしまった印象です。せっかく「ごはん部」なので、次回はもっと暖かくて美味しい話を期待しています。 |
アルカイックスマイルシティ 魚女 |
15分の中で時間の経過をしっかり組み立ててあり、非常に演劇的だと感じました。QSCに最適な物件ですね。セリフが不明瞭な部分が残念でした。 |
ひかりちモ 大人になんかなりたくない |
初めて書いた脚本ということで、今後に期待しています。タイトルの切実さがもう少し伝わるような仕掛けがあると良かったかな、と思いました。 |
花掘レ Killer Diller |
相変わらず上手いですね。全く飽きずに魅せるセンスもテンポも流石です。三人の絶妙なバランスが良いです。ライブに行ってみたくなりました。ソロでも作品を出してらっしゃいますが、このトリオシリーズは是非続けて欲しいです。 |
村田正樹 日常に紛れて見えない |
「タップダンス」という言葉のない表現を活かすためにも、応募動機など本編でない部分のテキストは不要かな、と。途中、展開が単調なのでちょっと飽きてしまいます。どうせなら、もっと思いっきり卑怯にやってみても良かったのでは? |
福谷圭祐(匿名劇壇) ON(OFF)-THE-RECORD |
ルールぎりぎりとはいえ、アイディアは面白かったと思います。が、そのアイディアを活かしきれていないように感じました。恋愛ネタに収めず、もう少し大きな世界を閉じ込められると良かったかもしれません。 |
N’S works ここにいる |
この短い時間によくぞ、と思うほどストーリーも演出もカメラワークも良く出来ていると思います。それだけに、冒頭にちょっと噛んでるのが勿体なく感じました。撮り直して完璧なものが観られると良かったです。 |
宇宙論☆講座 千原の結婚式のビデオレター |
モテたい人のモテたい人によるモテない動画。という感じでしょうか。着地点がちょっと分かりにくかったのですが、それもまた冴えない感じの演出だとすれば成功しているかもしれませんね。最後にもう一手くらい欲しかったような気がします。結婚式絡みで。 |
劇団名 作品タイトル |
レビュー |
あやめ十八番 江戸系 猿踊 |
力のある演技に惹き付けられ、照明、美術等も含めて演劇動画を堪能しました。大勢の登場人物を画面に納めるカメラワークにも。 |
明日の能天気 『十月二十日:地鏡』あるいは『RASHIN』 |
途中、芝生の丘を背景にしてずっと定点で撮っているシーンがあり、時間経過の人の出入りが、正に舞台の上手と下手をイメージさせてくれました。 |
百舌 N.O.A. |
データ管理やアシストシステムが知らないうちに想像以上に発達している現在なので、絡め取られるような怖さを孕んでいる印象。ラジオドラマにしても面白そう。 |
ホリグチタイセイ 不適なロケーション |
チープでアナログな手法でこれをやるところが好き。意外と観やすく、スリリングで、ちょっと変わった距離感とバランス感覚が楽しく、とても魅かれました。 |
ごはん部 かえる的懐疑論 |
三人がループし、生まれ変わってから死ぬまでの時間を丁寧にドラマにしたら、それはきっと壮大なドラマになり、そして悪魔もまた重要な役どころになり、そんな一端を観てみたい。 |
アルカイックスマイルシティ 魚女 |
季節が変わると服装が変わり、寒くなると暖房が入るように、周りから聞こえてくる音も変わり、アパートの外の天候も変わるのだろうと想像しながら観ました。季節が変わると服装が変わり、寒くなると暖房が入るように、周りから聞こえてくる音も変わり、アパートの外の天候も変わるのだろうと想像しながら観ました。 |
ひかりちモ 大人になんかなりたくない |
思い詰めてあがいたり、裸足で駆け出したり、子供の世界で無理してはしゃいだりするさまが強烈で、ちょっと胸が痛くなりました。 |
花掘レ Killer Diller |
あの重装備をした人は最初から家に居たのかとか、なんで不審がられなかったのだろうかとか、結構大きな疑問が残りましたが、テンポの良い軽妙な掛け合いは15 分が短く感じます。 |
村田正樹 日常に紛れて見えない |
最後、暗闇を撮り続けているところが新鮮でした。そう言えば、暗闇演劇というのもありますね。興味深いことです。 |
福谷圭祐(匿名劇壇) ON(OFF)-THE-RECORD |
異なった時間が同時に流れ、突然リンクして一斉に責められると、それがモニター越しでもかなり怖い。そして誕生日を祝ってくれれば嬉しい。 |
N’S works ここにいる |
ほのぼのとしたドラマに自然に割り込んで来る、町の有線のアナウンスが心地よかったです。あれは意図的なんでしょうか。 |
宇宙論☆講座 千原の結婚式のビデオレター |
後半、照明や音楽に乗り、馬鹿馬鹿しく大暴れするところが好きです。スモークの中の懐中電灯はライトセーバーに見えました。 |
劇団名 作品タイトル |
レビュー |
あやめ十八番 江戸系 猿踊 |
昨年の作品も印象に残っており、今回も秀逸だと思いました。今回カメラワークは最小限に俳優の移動で画を作り最後の仕掛け。15分の中にきちんとドラマがあり、古今の名戯曲を匂わせるセリフにニヤリとしました。 |
明日の能天気 『十月二十日:地鏡』あるいは『RASHIN』 |
雰囲気も俳優さんの佇まいも好きなのですが、惜しいと感じました。前半のロングショットのカメラワークがあまり有効に感じないのと音声が拾い切れていなくて、琴線に触れそうなセリフが届いていない感じがありました。 |
百舌 N.O.A. |
今回の作品の中でもかなり高い完成度だと思いました。普段映像のフィールドで活動されているという事で、画のトーンがキマっていて、短編内でシナリオがきちんと回収されており上手い!と思います。 |
ホリグチタイセイ 不適なロケーション |
アイディア勝負!な感じは短編映像作品としてとても好印象です。実際にはあり得ないシチュエーションだけど、勢いと内容で最後まで見せ切れていると思います。 |
ごはん部 かえる的懐疑論 |
前半ワンパターンなように見せかけて後半の展開が良いと思います。個人的には、ラストはドア前の女優さんの表情が観たかったな。シナリオ的にもそれが効くと思うし。ラストの男性のカットアングル良いですね。 |
アルカイックスマイルシティ 魚女 |
カメラのパンだけで部屋と時間を上手く切り分けていて、この企画に合致した上手い作りだと思います。シナリオも描きすぎずで、カメラが移動している間に流れた時間と物語を想像させます。 |
ひかりちモ 大人になんかなりたくない |
部屋を飛び出して好きなものを紹介しながら駆けて行くシーンが好きです。心情的な部分に寄り添えないのは、僕がすっかりおじさんになってしまったからかな(笑)机の引き出しに入り込もうとするところは笑いました! |
花掘レ Killer Diller |
OPの展開からドラマが始まるまで、映像作品としての掴みが見事です。一転ドラマに入りベタだけど化かしあいの会話のやり取りが面白く、ラストのどんでん返しも上手いですね。今回の作品で一番好きかもです。 |
村田正樹 日常に紛れて見えない |
ノミネートの中でも異色作と思うのですが、こういうアプローチも可能な幅がこの企画の面白い所だと思います。個人的な好みで言えば、映像にメッセージが多いので、画とダンスももっとフォーカスしたものを観たいです。 |
福谷圭祐(匿名劇壇) ON(OFF)-THE-RECORD |
映像のシンクロ具合とか、かなり高難度で面白いことを追求していると思いました。そうして丁寧に積み上げてきたものをガラッと崩す手法とか、舞台での作風とも重なってこれはやっぱり彼らの武器なんだと納得しました。 |
N’S works ここにいる |
映像でも演劇でも、短編ほど脚本が大事だと感じる作品です。ノミネートの中で一番ストレートなドラマだと思いますが、全体のバランスとクオリティで集中してみることが出来ます。 |
宇宙論☆講座 千原の結婚式のビデオレター |
普通のビデオレター風から始まってトンデモ無い所に行きつく荒唐無稽さはバカだけど面白いです。照明とかスモークとか、ドラマに反比例した技術の無駄遣い感がそれを加速させて潔い感触です。 |
劇団名 作品タイトル |
レビュー |
あやめ十八番 江戸系 猿踊 |
映像でありながら、舞台そのままの緊張感を非常に強く感じさせる作品。撮影のアングルや役者立ち位置、光のあて方も素晴らしかったです。代役をめぐるドロドロとした駆け引きからも目が離せませんでした。 |
明日の能天気 『十月二十日:地鏡』あるいは『RASHIN』 |
この作品を通じて、初めて中村羅針さんという方を知りました。中村羅針さんも、作品中でうたわれる歌も、昔出会った人を演じることでその人の気持ちをわかりたいと思った少年も、誰もが優しい作品だなと思いました。 |
百舌 N.O.A. |
よく考えると一人芝居なのだけど、全くそんな風に感じませんでした。スマホと会話する、そんな設定が素直に受け入れられるくらい、近い未来の物語に感じました。機械であるスマホによって、人間のマコトが落ち着いた気持ちを取り戻すのが良かったです。 |
ホリグチタイセイ 不適なロケーション |
女子たちの計算された復讐劇。結託して浮気を明らかにする女って怖いですね。同じシーンが違うアングルから繰り返されることで徐々に明らかになっていく人間関係が面白くて、先の展開が楽しみになる作品でした。 |
ごはん部 かえる的懐疑論 |
くるくると流れるように回っていく世界とテンポの良さが心地よく感じました。自殺をして逃げても、別の人生を願っても、結局自分を生きることでしか状況を打破できないというラストが格好良かったです。 |
アルカイックスマイルシティ 魚女 |
移ろいでゆく人間関係が静かに心に響いて切なく感じました。描かれているのは、季節ごとに1シーンだけだけれど、その間の出来事や、やり取りを想像させる力を感じる作品でした。 |
ひかりちモ 大人になんかなりたくない |
大人になれないから子どもでいたい、と思っている時点で既に人は大人になっていて、そんな現実を受け入れられない葛藤と大人になるための決意をするまでの描かれ方、ピアノを引きながらの独白のシーンの表情がよかったです。 |
花掘レ Killer Diller |
軽快なオープニングに、お金をめぐるバカバカしい駆け引きが楽しい作品。今年も最後のどんでん返しにアッと言わされました。「アウトサイドクリーン」の意味がわかった瞬間、ゾッとしましました。 |
村田正樹 日常に紛れて見えない |
段々とタップの音が心臓の鼓動のように思えてくる不思議な感覚に陥りました。中盤から、頭に浮かんでは消えていく言葉たちが、身体を駆け巡ってもがく様とそのリズムに、強く心打たれました。 |
福谷圭祐(匿名劇壇) ON(OFF)-THE-RECORD |
次々と重なっていく映像をみて、人の口から語られるものは、時間が経つと全部嘘になるんじゃないか、と疑いそうになりました。ずっとカメラを見続けていたカオルが初めてカメラマンを観た瞬間、それまで撮影していた世界が揺らいだようでドキッとしました。 |
N’S works ここにいる |
ちょっと怖い表情のカッパは恋の守り神なのでしょうか。個性的なカッパがいて、走り去っていく姿までしっかり移り込む、遠近感の出る撮影場所のチョイスや、男がマキにのり移る時のマキの表情が良かったです。 |
宇宙論☆講座 千原の結婚式のビデオレター |
お祝いムードたっぷりの和やかな導入から、まさか悪魔や呪いがでてくるなんて。先が全く読めなくて自由な作品だなと思いました。終盤のライトセーバーでのバトルシーンは非常に楽しませてもらいました。 |
劇団名 作品タイトル |
レビュー |
あやめ十八番 江戸系 猿踊 |
画面の陰影の強さが美しくもあり邪魔でもあるが、そこがこの映像の価値でもある。ドラマとしてはサスペンスに乏しく退屈。能に対する誤解があるし、安易にキリスト教と結びつけている点が浅薄だと感じた。 |
明日の能天気 『十月二十日:地鏡』あるいは『RASHIN』 |
空気感のある爽やかな画面である。少年とラシンとの関係がミステリアスで面白い。様々な解釈を許す台本だが、あまりあざとさを感じさせない。校門事件をモチーフとしたことでノスタルジアが刻みこまれた。 |
百舌 N.O.A. |
一見使い古されたモチーフだが、機械と人間の感情面における新しい関係を感じさせる佳品だと思う。多分、今の若者は、機械と人間を区別していない。最後までブルーの画面で通した点にストイシズムを感じるが、挑戦してもよかったかもしれない。 |
ホリグチタイセイ 不適なロケーション |
大学学食を舞台にして、シーンと台詞を上手く併せて、カメラによって見えない部分を作りながら進んでいくテクニックはなかなかのものだと思った。演劇と映画的手法が相互補完的に高めあっている。但し、最後まで見せる脚本の面白さは素晴らしいが、俳優個人がもっと頑張ることで、観客をより強く画面に繋ぎ留めることが出来たと思う。 |
ごはん部 かえる的懐疑論 |
自殺を扱った円環反復構造のドラマは、不条理的であり、一つの作品としてよくまとまっている。但しこれは、もともと反復性をもつ映画としてよりも、舞台演劇である方がより魅力的かもしれない。その意味で、劇とシネマが高めあっているとは言えないかもしれない。女優が魅力的。 |
アルカイックスマイルシティ 魚女 |
映画的ではあるが、演劇性は薄く、その意味では、映画と演劇の相乗作用が見られない。ドキュメンタリー風の画面は見やすく、台詞も聞きやすいが、私には、この作品の良さが分からなかった。 |
ひかりちモ 大人になんかなりたくない |
個人的な感情は伝わったが、それが映画としても演劇としても作品になっていない。若い女性の心情吐露は、それ自身である程度の吸引力を持つが、それ以上のものではないし、場合によって観客は困惑すると思う。 |
花掘レ Killer Diller |
最初は何気に面白く、それだけの作品かと思ったが、最後に福島を連想させる政治性を込めている点がよかった。必ずしも映画である必要はないが、「犯人」と思ったカメラマンの他にもう一人のカメラマンがいて、「宝物」の中身が最後まで明らかにされない点が面白い。 |
村田正樹 日常に紛れて見えない |
非常に面白い作品だった。活字と映像と人物を混ぜ和せて、一つの空間を作っている点がこのコンテストと強みをよく活かしていると思う。但し、組み合わせは面白いが、コンテンツについては、もっと面白い作品になりうるだろうと感じた。手法としては全く新しいわけではないが、チャレンジ精神を感じた。 |
福谷圭祐(匿名劇壇) ON(OFF)-THE-RECORD |
映像の中に映像を入れて、同一人物がそこで対話をするというメタ映像的な手法が割とすんなりと受け入れられる点に、もはや映像がユビキタスな時代性を感じさせる佳品だと思う。但し、意識的な手法で行われるドラマは平凡でそこにもっと工夫が欲しい。 |
N’S works ここにいる |
河童の池で演じられる普通に面白いコントだった。マキを演じた女の子がとても上手。これは重要なことだが、映像作品としてよりも舞台で見たいと思ったし、映像化する必要のない作品である。 |
宇宙論☆講座 千原の結婚式のビデオレター |
音楽のレベルの高さに比べて、演技と演出は素人以下で演劇とは言えない映像だった。しかし、そんなに飽きずに最後まで見られたのは、プロットのあまりにも平凡な気楽さにあるのかもしれない。 |
劇団名 作品タイトル |
レビュー |
あやめ十八番 江戸系 猿踊 |
完成度が非常に高い。奥行きと前後の移動および、役者の座る立つの高低だけで物語を展開させる秀逸さ。最後のシーンは蜷川のマクベスを思わせるが、少し違和感あり。計算しつくされているところがちょっぴり難点か。 |
明日の能天気 『十月二十日:地鏡』あるいは『RASHIN』 |
もう1本の作品(濃霧警報)と違って今度は大いに引いたカメラワークでの撮影。しかしそのためか想像力が膨らむ。子供の人生(実は親はいないのか、など)の想像からやがて行き交う人々(同じ人々だからこそ)の人生まで想像してしまう自分がいる。繰り返される日常の中にふいと登場する非日常。リアルとコピーの関係性など、15分の中でいろいろ考えてしまう。それでも最後の鳥のような雲の映像がその重さをすっと取り除いてくれる。好きでした。 |
百舌 N.O.A. |
ストーリーは凡庸だけれど、カメラワークと色使いがいい、人工的とはいえ、LED的な青色とN.O.A.の赤色のコントラストが美しい。しかし一方でやがてロボットに支配されていく人間の怖さも垣間見られて、結構お涙頂戴の物語がホラーにもなりうるな、と思う。そんなもう一ひねりがあっても良かったかも。 |
ホリグチタイセイ 不適なロケーション |
エントリーナンバー3番と同じく、奥行きといわゆるお笑いでも良く使われるコミュニケーションのシンクロの面白さ。しかし最後のシンクロに持っていくために、会話に無理が生じ途中でこの先のメソッドが見えてしまうけれど、それもまた楽しい。15分の中によくもまあこれだけアイディアをきちんと盛り込んだなあと感心しました。「リバース」の演技もうまい。 |
ごはん部 かえる的懐疑論 |
ファレル・ウィリアムズのHappyのPVを思い出しました。とめどもないループから最後にようやく抜け出すことでほっとしますが、その間が少し中だるみでした。とはいえ、この最後の安堵感を強調するためにこのループが続いたのでしょうか。 |
アルカイックスマイルシティ 魚女 |
これといったストーリーもないのに、記憶に残る。誰かさんの日常をそっと垣間見ているようなしめやかさがあるからか。水槽に象徴されるようなどこまでもウェットな感覚があるのだが、重過ぎない。同時に水槽の水を捨てることが決して主人公の「旅立ち」を象徴しないだろうことも期待を裏切るようでいい。 |
ひかりちモ 大人になんかなりたくない |
他者の介入はいらなかったかも。子供時代の自分がすごしたかもしれない家、その中に詰まっているたくさんの思い出(ビニールプール、縄跳びなど)、そういったものだけを盾に思い切り抗う世界が見たかったです。 |
花掘レ Killer Diller |
エンターテイメントの要素満載。最初からこちらも飽きさせない15分。十分に面白いので、最初のつかみはなくてもよかったかも。最後が何気に原発問題にまでつながってしまうところがグッド。 |
村田正樹 日常に紛れて見えない |
死んでから、今まで生きていた道を歩いているという感覚はこんな感じなのかな、という不思議な気持ちになる。一方、無音の中にたくさんの文字のノイズが入ってくる。音をすっかり消していることでそのノイズが鮮明になる。五感を揺さぶられる映像でした。 |
福谷圭祐(匿名劇壇) ON(OFF)-THE-RECORD |
そのときの自分の感情はすでに記録していてももう過去のもの。そんなことを突きつけてくる映像。すでに他者となってしまった自分と向き合うことを教えてくれる15分でした。すでにそのときの自分は今の自分と見た目すら変わっているではないか。だからこそ、最後の第3者の登場はかえって余計な気がする。 |
N’S works ここにいる |
ノエル・カワードの『陽気な幽霊』を思わせます。公園のロケーションをうまく使っている。同じ敷地内に、異界が存在していることで日常の中の異次元をも思ってしまう。公園ってそういう場所かもしれない。河童がその象徴。それにしても河童の存在が大きすぎ。今にも動き出しそうな撮り方がいい。河童も十分演技しております。気に入った。 |
宇宙論☆講座 千原の結婚式のビデオレター |
シンプルすぎる画面構成なのに、照明一つでこれほど違った見え方がするのだなあ。光をうまく使ってあたかもスターウォーズのかと思わせる演出がにくい。 |
ということで、演劇業界人レビューの発表でした!
ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
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(文:森脇孝/エントレ)
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