2015.11.25  26

杉本哲太がトラの幽霊に!? 舞台「バグダッド動物園のベンガルタイガー」インタビュー!


バグダッド動物園のベンガルタイガー
舞台「バグダッド動物園のベンガルタイガー」インタビュー

舞台「バグダッド動物園のベンガルタイガー」の演出を手掛ける中津留章仁、出演者の杉本哲太、安井順平にインタビュー取材した。

 
舞台「バグダッド動物園のベンガルタイガー」はアメリカの劇作家ラジヴ・ジョセフが、2003年にイラクのバグダッド動物園で実際に起きた事件に想を得て書き上げた作品。2009年に初演され、ピュリッツァー賞にノミネート。2011年にはロビン・ウィリアムズ主演でブロードウェイで上演された。
物語のあらすじはこちら。

 

STORY
空爆によって破壊されたバグダッド動物園、ベンガルタイガーの檻の前。ふざけあっていた警護のアメリカ兵が、腹をすかせたトラに手を噛みちぎられる。
トラはその場で射殺されるが、幽霊となって撃った兵士に取り憑いてしまう。精神に異常を来たした兵士は自殺、これまた幽霊となり、義手をつけた元相棒に取り憑く。

トラの幽霊、アメリカ兵の幽霊、さらにはサダム・フセインの二人の息子の幽霊、さまよう女の子の幽霊……幽霊と現実を生きる人間とが絡み合い、バグダッドに渦巻く欲望と残虐さがあらわになっていく。

 
トラを演じるのは杉本哲太。トラに取り憑かれる兵士を風間俊介が演じる。
この衝撃的で、ある意味シュールな作品の魅力について、演出を手掛ける中津留章仁、出演者の杉本哲太、安井順平に聞いてみた。【動画6分】

 

トラの役作りは?

バグダッド動物園のベンガルタイガー
インタビューに答える中津留章仁、杉本哲太、安井順平

中津留章仁
「杉本哲太さんが演じるトラが、ある兵士に殺されていくというところからスタートします。人間と幽霊とが話をしながら人間の文明について、トラの視点から見つめていくという、大まかに言うとそんなストーリーです。
題材はシリアスなんですけども、タッチとしてはコミカルなシーンとかせりふもたくさんあるので、観やすい作品になると思っています。」

杉本哲太
「トラの役作り? 毎日、肉食ってますね(笑)。」

安井順平
「わかんないですよね。トラの役作り。」

杉本哲太
「わかんないですよね(笑)。まあでもね、トラが2本脚で立って歩き出して、いろいろと語りだすんです。肉食動物ですから過去に子供を殺して食っちゃったことがあるんですけど、それで自分は成仏できないんじゃないだろうかとか、いろんなことを考えて、神を求め出すんですね。人間は戦争をやっている中でもお祈りをしていますから、『そうか、俺もひとつ神を求めてみよう』と。かなり深い話です。」

安井順平
「僕はイラク人のムーサって役なんですけども、通訳としてアメリカ人に言われたことをイラク人に伝えるっていう役回りなんです。妹が殺されていたりだとか、戦争中の問題も含めて、いろんなものがムーサの中にのしかかっているので、割と逡巡する役というか。いろんなことを受けて、自分がどうなっていくのかという役なので、はっきり言って難しいです。」

 

長い独白があるそうですね?

バグダッド動物園のベンガルタイガー
稽古でトラを演じる杉本哲太

安井順平
「哲太さん、わりと独白というか独り言みたいなのが多いですよね。」

杉本哲太
「6ページくらい一人でしゃべっているというシーンがあって。それは、もうちょっと、減らしてもらおうかと(笑)」

安井順平
「ホント、そうですよね。稽古場で哲太さんが6ページの長せりふを全部言い終わったときに、演出の中津留さんが『うーん、はい、もう一回やってみましょうか』って(笑)何回一人でしゃべるんだっていうね。」

中津留章仁
「その辺、僕、意外と容赦ないからね(笑)」

 


本作とは直接関係のない特別質問なのですが、
これまで観た中で、印象に残っているお芝居を教えてください。

 
中津留章仁
燐光群さんが2009年くらいに上演した、トレイシー・レッツっていう作家の『BUG』っていう作品です。あまりにも面白かったので、2日連続で観に行きました。まあ、なかなか無いことなんですけども、何年かに一度、そういう印象に残るものが出てきますね。」

杉本哲太
「僕、今回舞台は8年ぶりとかなんですけど、8年前くらいに岩松了さんの『箱の中の女』っていう作品が記憶に残っているからその役かな」

安井順平
「普段、劇団イキウメでやっているときは、わりと普通の役が無くて。例えば自意識過剰をこじらせていて、地下室に閉じこもってニコ生で延々愚痴を言い続ける男とか、親の家賃収入で食っているニートとか、そういうのも嫌いじゃないんですけども。今回のムーサっていう役は割とニュートラルで普通の役、中心に感情移入されていく役で、今までにない役なんです。なのでむしろ今回の役が印象に残るのかもしれないです。」

 

改めて、本作の見どころを教えてください

バグダッド動物園のベンガルタイガー
インタビューに答える杉本哲太

中津留章仁
「戦争に関わる話っていうのは、なかなか想像しにくいと思うんですね。実際に戦争に関わっている国の人たちがどんな問題を抱えているかということなんかを感じて頂けたらと思います。」

安井順平
「日本でやる『バグダッド動物園のベンガルタイガー』っていう舞台は結構違った視点になるんじゃないかなって。それはただ俯瞰で見るっていうことだけではないような気がするんで。デリケートな作品ではあると思うんですけど、トラを哲太さんが演じたり、それが幽霊だったりとか、一見シュールだけどコメディにもなりえるという部分があるんで、あんまり肩の力を入れて見に来るよりは、割とフラットで観てもらったほうが面白い作品になるんじゃないかと思います。」

杉本哲太
「遠い国のお話、距離感のあるお話のような気がしますけど、決して今はそうではない状況になっていますから、そういった意味でもタイムリーな作品になるのかなと思います。とにかくこの芝居を観て、何かを感じて頂けるように頑張って稽古していきたいと思います。」

バグダッド動物園のベンガルタイガー
インタビューに答える中津留章仁、杉本哲太、安井順平


稽古の様子を少しだけ見せてもらったが、休憩時間も俳優たちが役の心情について熱く語り合っていたのが印象深かった。それにしても、「トラの視点から人間社会を観る」という設定がとても興味深く、楽しみだ。
 

本作は12月8日(火)から新国立劇場 小劇場で上演される。

詳しくは「バグダッド動物園のベンガルタイガー」公式サイトで。

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)


公演情報
舞台「バグダッド動物園のベンガルタイガー」
【作】ラジヴ・ジョセフ
【翻訳】平川大作
【演出】中津留章仁

【出演】杉本哲太 風間俊介 安井順平 谷田 歩 粟野史浩 クリスタル真希 田嶋真弓 野坂 弘

2015年12月8日(火)~27日(日)東京・新国立劇場 小劇場

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