2015.11.12  7

「鼓童」を直撃!ドラム監修に元ブルーハーツの梶原徹也を迎えた新作「混沌」の魅力に迫る。


「鼓童」を直撃!ドラム監修に元ブルーハーツの梶原徹也を迎えた新作「混沌」の魅力に迫る。
左より神谷俊一郎、坂本雅幸、石塚充、ドラム監修の梶原徹也
 
「鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌」ドラム監修の梶原徹也、鼓童メンバーである石塚充、坂本雅幸、神谷俊一郎にインタビュー

 
1981年、ベルリン芸術祭で鮮烈なデビューを果たして以来、世界47カ国で5,600回を超える公演を行う太鼓芸能集団 「鼓童」。
来年創立35周年を迎える彼らの新作「鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌」では、坂東玉三郎・芸術監督のもと、元ブルーハーツのドラマー梶原徹也をドラム監修に迎え、和太鼓と西洋楽器を大胆にミックス!
ドラム監修の梶原徹也、鼓童メンバーである石塚充、坂本雅幸、神谷俊一郎に話を聞いた。

 

「鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌」
「鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌」
 
 

魂や情熱とか、真ん中の核になる部分は同じ
 
 
-新作「鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌」では、新しい試みにチャレンジされているそうですね。
  

石塚
「今回、和太鼓の他に、ドラムセットを大胆に取り入れて、梶原さんに監修して頂きました。

西洋楽器のドラムをはじめとして、他にも中国の京劇で使う揚琴(ようきん)という、いっぱい張られた弦を細いバチで叩いて音を出す打弦楽器や、インドネシアの竹でできた楽器、金属でできた鳴り物など、どのジャンルの、どの楽器ということではなく、とにかく叩いて音の出るものを集めているので、2.3年観ていないお客様は、驚かれるかもしれません(笑)

色々な種類の楽器を使っているので、そこから色々な音が伴って、音楽がジャンル分けされるよりも前のような、色々な音が混然一体となっている状態が生まれている。ストーリーを追いかけるといった表現ではなく、演奏している人間の面白みや哀愁、滑稽さ含め、いろんな姿が見えてくるステージになるのではないかと思います。」
 

-今回、梶原さんがドラム監修されるにあたって、鼓童メンバーとともに、一緒に創り上げていく作業はいかがでしたでしょうか?
  
 

梶原
「皆さん、和太鼓という打楽器奏者ではあっても、プロの舞台として、ドラムというものをお客さまの前でお見せするためには、やはりある程度の時間が必要だということで、3年ほど前からドラムを教え始めました。
ただ、やはり打楽器奏者としては一流のレベルにある方々なので、あるポイントを過ぎたら、一気にレベルが上がりましたね(笑)。」

 
坂本
「僕は昔、ドラムを演奏していたことがあったので、割と取り付きやすい楽器だったんですが、僕以外でドラムを叩くメンバーは、ほぼ初めてだったと思います。
僕らは叩くということに関しては、専門的なところはありますが、やはり、タッチの感じが違ったり、見せ方も全く和太鼓とは違うので、そこら辺は苦労しましたが、梶原さんのご指導のもと、精神面でも表現面でもトレーニングしていただきました。」

 

梶原
「和太鼓を中心に演奏してきた鼓童さんにドラムの要素が入るということで、魂や情熱とか真ん中の核になる部分は同じなのに、奇をてらう感じに映ってしまうのは違うなと思っていて。
一つの表現方法として、和太鼓・大太鼓を叩くのと同じように、ドラムでもそういうものを爆発させて欲しい。そのレベルに行くことが目標であって楽しみでしたが、もう彼らはクリアしてくれているので、バッチリです!」
 

一同(笑)

 

坂本
「今までの鼓童の舞台は、グッと噛みしめるようなストイックな舞台が多かったのですが、ドラムは楽器の音色の豊さも違いますし、和太鼓の一発一発を噛みしめて打つ良さとはまた異なります。僕は発散型なので(笑)そういうドラムならでの良さは、演奏していても楽しいですし、3年かけてドラムを叩いてきたことで不自然さもなくなってきました。ドラムや他の楽器も入ってくることによって、今回は楽しめる要素が多い舞台になるのではないかと思います。」

 
 
おもちゃ箱をひっくり返して遊んでいるような楽しみ
 

 
-坂東玉三郎さん芸術監督のもと、新作が出来上がる時は、まずどのような構想から始まるのでしょうか? 
 

芸術監督をつとめる坂東玉三郎
「鼓童」稽古場風景 芸術監督をつとめる坂東玉三郎氏

石塚
「作品によって異なりますが、日本の芸能を手がかりに構想する作品もありますし、言葉の持つイメージから、メンバーそれぞれが曲を作っていく作品もあります。
今回は、打楽器奏者として、和楽器と洋楽器を対等なバランスで、叩きこなせるようにするところからスタートしました。」

 
梶原
「今回、私が携る「混沌」という作品は、玉三郎さんが芸術監督になられてから4作目ですよね。”他の楽器が入る”、”打楽器奏者として叩ける”というところだけを頼りに創っていった。全くのゼロの状態から、ドラムを叩くというアイデアを、玉三郎さん含め、みんなで色々創り上げていくというのは楽しかったですね。」
 

石塚
「演出の玉三郎さん始め、みんなが純粋に楽しんで創っている感じがしますね。
今までの鼓童の作品は、どちらかというと、余分な要素をどんどんそぎ落として、整然とした舞台創りをしていました。
玉三郎さん演出作品も、「永遠」までは<如何に美しく研ぎ澄ましていけるか>ということを意識して創っていましたが、今回は、逆に余分なものも足していっている感じ。和太鼓の中にドラムが入ること自体が、どんどん足していっているなと。

それを足して、何も引かずに、思いついたことは、バカみたいなことでもやってみる(笑)やってみると、稽古場では大爆笑が起きる(笑)
まさに、おもちゃ箱をひっくり返して遊んでいるような楽しみがあるので、その楽しい空気をお客様にも届けられるのではないかなと思っています。」

 

神谷
「そうなんです!本当に楽しいです!僕はまだメンバー1年目で、これまで研修所(※鼓童メンバーになるための養成所)にいたのですが、そこでの稽古や演奏前というのは、ものすごくストイック。とりあえず太鼓を叩きまくって、しっかりと体を鍛え上げて、その上で演奏を観て頂くというものでした。
メンバーになり、実際に玉三郎さんをはじめ、先輩方々がどのように舞台を創っているのか観た時に、イメージと違いすぎて驚きました(笑)
石塚が稽古で面白いことをすると、メンバーみんながドッと笑う。ストイックな練習の中にも、笑いとかユーモアとかいうものが、日常的に起きるので、すごく楽しいです!」

 
一同(笑)
 
 

-今回、梶原さんが入ることで、いつもの「鼓童」とは違う表現や楽しみを期待されている方が多いと思います。 
 

梶原
「そうですね。ポピュラーミュージックと和太鼓の違いをわかりやすく言うと、ドラムの持っている一番大事な要素は<グルーブ>なんですよね。
そのグルーブ感を出すとはどういうことかというと、観ている人も、聴いている人も、一緒に踊って一緒に楽しむということ。そういう感じのパフォーマンス・エンターテインメントが、ロックやポピュラーミュージックの魅力だと思います。
鼓童さんの醍醐味の一つは、鍛え上げられて選ばれた人間(笑)が、ステージでストイックに演奏している姿。それをうまいこと融合できればいいなと思っています。」

 

 「鼓童」稽古場風景
「鼓童」稽古場風景 坂東玉三郎氏と梶原徹也氏

 
ひとつのことを、がむしゃらに突き詰めている大人達がいるという姿を観てもらいたい
 
 
-「鼓童」さんは、交流学校公演を全国各地で開催されておりますね。
 
石塚
「はい。太鼓や日本の文化に触れてもらいたいという気持ちとともに、ひとつのことを、バカみたいにがむしゃらに突き詰めている大人達がいるという姿を観てもらいたい(笑)
体育館の至近距離で、汗びっしょりになって演奏する僕たちの姿を見て、観てくれた子供たちが、何かしらを感じて、自分なりの目標に対して頑張れる勇気を持ってもらえたらいいなと思っています。」

 

坂本
「子供の反応はものすごく素直で、面白かったら目をキラキラさせているし、面白くなかったら寝てる(笑)。子供が楽しんで観てくれるものって、大人でも十分に通用します。どちらの反応も自分達にとっては勉強になる。
僕達は、「ワン・アース・ツアー」で世界中を旅させていただいており、言葉では説明できないような経験や、学ぶこともたくさんあります。交流公演を通して、自分達が吸収したものを、大都市に限らず、子供たちや全国各地の人へ伝えていけることは、魅力的だと思っています。」

 

神谷
「僕はまだ、交流公演に出演したことがないのですが、それでも、研修生の時に何度か通し稽古を観ていて、僕自身が子供のように楽しめるんです(笑)
早く交流公演に就いて、ツアーに回ってみたいと思っています!」
 
 

-和太鼓は、「ドン」という一鳴で会場を巻き込む力があります。おもちゃの楽器の中でも、太鼓に興味を持つ子供は多いと聞きますが、人間の本能なんでしょうか?!

 

梶原
「そうですね。僕も色々と考えるんですけど、胎児の時からお母さんのお腹の中で、心臓がビートを打っている音を聞いている。人間が生きている以上は、切っても切り離せないものなのではないかと思っています。
なので、僕はライブの時に緊張してテンポが速くなっていくのは、鼓動が早くなっているからしょうがないよね?!って言い訳にしています(笑)」
 
 

最後に観ている方にメッセージをお願いします。
 

 
石塚
「今回、ドラムと和太鼓の融合だけじゃなく、舞台上に切れ目なく楽しめる仕掛けがあちらこちらに散りばめられています。本当によく観ていないと、見逃してしまうような面白いことが舞台上でいっぱい起こるので、是非、劇場に足を運んで楽しんで頂きたいと思います。」

 

坂本
「和太鼓やドラムメインですが、打楽器としてタイヤとかも出てきますし、色んな要素満載で目が離せません。今までの鼓童のようにただ演奏するだけじゃなく、面白い流れができている舞台だと思いますので、肩肘張らずに楽しんで観ていただきたいなと思います。」

 
神谷
メンバーの一人一人が楽しんで演奏している姿が、お客様に伝わる舞台だと思います。個人的には、そんなにメインの役所ではありませんが、隅っこの方で「うわ!すっごい太い腕の人いる」という感じで、探して観て頂けたらと思います。

 
一同(笑)
 
 
梶原
ドラムという楽器が入ることで、一つの要素としてわかりやすくなっていると思います。
今回の鼓童は、舞台から出しているバイブレーションが、すごく楽しくてハッピーな感じなので、皆さんも一緒に楽しんでいただけるかなと。
ロックな鼓童を(笑)観ていただきたいなと思います。
 
 

「鼓童」を直撃!ドラム監修に元ブルーハーツの梶原徹也を迎えた新作「混沌」の魅力に迫る。


 
太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見出し、
現代への再創造を試みる「鼓童」。
そんな彼らの新作「混沌」は、和太鼓とドラムなどの様々は楽器を融合させ、
今までになく斬新で新しい感動で、私達観客を楽しませてくれそうだ。
圧巻のパフォーマンスを体感してみてはいかがだろうか。

「鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌」は、
「鼓童」の拠点である新潟の佐渡を皮切りに、全国11都市にて開催。

 
詳細は公式サイトで。
「鼓童」公式サイト

鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌

チケットぴあで購入
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(取材・撮影・文:長谷川美津子/エントレ)

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公演情報
鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌
【演出】坂東玉三郎 
【ドラム監修】梶原徹也
【音楽アドバイザー】齊藤栄一

【出演】船橋裕一郎、石塚充、小田洋介、坂本雅幸、中込健太、内田依利、蓑輪真弥、安藤明子、住吉佑太、地代純、神谷俊一郎、渡辺健吾、稲田亮輔、池永レオ遼太郎、大塚勇渡、北林玲央、小池将也

2015年11月23日(月・祝)新潟県佐渡市 アミューズメント佐渡
2015年11月29日(日)福井県越前市 越前市文化センター
2015年12月1日(火)富山県富山市 オーバード・ホール
2015年12月3日(木)新潟県新潟市 新潟県民会館
2015年12月5日(土)、6日(日)大阪府大阪市 NHK大阪ホール
2015年12月9日(水)福岡県福岡市 博多座
2015年12月11日(金)広島県広島市 JMSアステールプラザ
2015年12月13日(日)岡山県岡山市 岡山市民会館
2015年12月15日(火)愛知県名古屋市 愛知県芸術劇場 コンサートホール
2015年12月17日(木)神奈川県横浜市 神奈川県民ホール
2015年12月19日(土)~12月23日(水・祝)東京都文京区 文京シビックホール

鼓童ワン・アース・ツアー2015 ~混沌

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