2015.9.28

マキノノゾミ脚本の人気作、「黒いハンカチーフ」の上演決定。 主演の矢崎広、演出の河原雅彦にインタビュー!


「黒いハンカチーフ」矢崎広、河原雅彦インタビュー
舞台「黒いハンカチーフ」が上演決定。 主演の矢崎広、演出の河原雅彦にインタビュー!
 

矢崎広主演で前代未聞の詐欺師モノ(コンゲーム)復活!
舞台「黒いハンカチーフ」が、約10年振りに蘇える!
主演の矢崎広、演出の河原雅彦にインタビュー取材した

 
2001年劇団M.O.P.で初演され、2002年には、ドラマ「演技者。」(フジテレビ)で、
TOKIOの城島茂と山口達也が出演し話題となったマキノノゾミ脚本の人気作「黒いハンカチーフ」。

昭和30年代の新宿を舞台に、殺された娼婦の仇を討つために再集結した伝説の詐欺師集団の活躍と事件の顛末・・・。
高度成長期の日本を舞台に、男たちの騙し合い、前代未聞の詐欺師モノを描いた本作を上演するにあたって、主演の矢崎広と演出を手掛ける河原雅彦の2人に話を聞いた。

舞台「黒いハンカチーフ」舞台「黒いハンカチーフ」
 

 

舞台「黒いハンカチーフ」の出演依頼が来たときの心境は?
 
矢崎広
「今回、約4年半ぶり(※注1)に河原さんとご一緒できるということで、
楽しみな部分が多かったのですが、大きな役なので大変だろうなと思いました。
ある意味、河原さんに鍛えていただこうという気持ちもあり、
役者として、一生懸命全力でぶつかっていければと思います。」
 

-矢崎さんの役者としての成長を、どのように感じていらっしゃいますか?
 

河原雅彦
「前回(※注1)は、主演として相対したという感じではなかったのですが、
彼のこれまでの舞台などでの活躍は知っていました。
今回、こんなに男前で、真ん中に立たなきゃならない役を矢崎がやるということで、そこに向き合えるのは楽しみです。こんなド主役、最近の演劇では、珍しいと思いますよ。」
(※注1、2011年、矢崎広さんは河原雅彦さん演出の舞台『時計じかけのオレンジ』に出演)
 
 
舞台「黒いハンカチーフ」の脚本を呼んだ感想
 

矢崎広
「ハンサムな役。年齢もこのお話を頂いた時点では、自分よりもちょっと上の設定だったので、頑張らないといけないなと思ったんですけれど、作品としては、逆に面白いなと。
元々、マキノさんは映画でいうスティング(※注2)をイメージされたというだけあって、ハリウッド映画のような作品だなと思いながら読みました。」

(※注2、1973年公開のアメリカ映画。信用詐欺(コンゲーム )を扱った傑作として知られる。)

 
河原雅彦
「古き良きノワールみたいな犯罪物として読みました。マキノさんは、スティングをイメージされたそうですけど、僕はガイリッチー作品とか、タランティーノ作品をイメージしました。僕世代は、どちらかと言うとそちらのノワールで育った方ですからね。
 
昭和30年代って、時代としては、戦後しばらくたって、人々の外連味があるとにかくエネルギーのある時代。劇団M.O.P.さんでの舞台は、とても重厚な感じに仕上がってますが、当たり前ですけど、戯曲がしっかりと書かれているので、基本線を押さえられたら、わりと色をつけてもあまりブレない作品だと思います。

僕は、重厚なところは重厚にして、かなりポップで小粋な感じを目指しています。
王道といえば王道ですけど、戯曲の力がある昔の王道を、今回僕が預らせてもらうので、僕らなりのノワールでやれたらと思います。」
 
 
-スティング、ガイリッチー作品やタランティーノ作品という映画をイメージすると、スタイリッシュな要素と昭和のエネルギッシュさが合わさったような印象を受けますが、その上で、舞台ならではの魅力、シーンや見どころはありますか?
 
 
河原雅彦
「映画はやっぱり、全然媒体が違う。同じ「人を騙す」トリックでも、舞台だと映像でできることができませんよね。
舞台は、騙す方も騙される方も、生身の人間が空気を作って駆け引きをする。
実際にどんでんがえしの連続の展開で、映画のように、よりのアングルとか、
手元のカットとかで表現できるわけではないとなると、やっぱり舞台上に立っている人達が、チームになって観客を騙していかないと、うまくいかない。
そういった意味でも、俳優の魅力や技術など、色々な要素が必要な舞台なので、
それを楽しんでもらえたらと思います。」
 
 
矢崎広
「河原さんが言うように、例えば目線を落としたところをアップにしてもらい嘘をつくとか、そういう映像のような表現ができない。
舞台は、「お客様の目」と言うカメラが何台もあるような感じですよね。
一人を騙しているわけではないので、カンパニーみんなと協力して作らないと成立しない。そうして創り上げたものを見て頂くのは、この舞台の魅力だと思うので、
僕自身、頑張りどころだと思っています。」
 
インタビューに答える矢崎広、河原雅彦
インタビューに答える矢崎広、河原雅彦
 

 
-天才詐欺師を父に持つ医師「日根」という役を演じるにあたって、現段階での苦労はありますか?
 
 
矢崎広
「時代もそうですし、空気感とか。かかわりかた、年齢・・・。
課題だらけのところからスタートした中で、苦労するところは、僕からしたら全てです。それでも、河原さんや周りの皆さんが、すごく愛を持って接してくれるので、それに応えたい。
例えば、河原さんにダメだしを頂いて、僕が暗い顔して凹んでいるだけでは、物語が何も動かない。間違ってもいいから、思いっきりやろうと思っています。」

 

河原雅彦
「元々、三上市朗さんに「あて書き」されているものでしょ?矢崎と全然違うタイプですよね。
三上さんのような無頼というか無骨なタイプのハンサムで「あて書き」した話を、現代のハンサムな奴が演じるのは、入口からして難しい。

観ている方も美形って気になるから、存在が消えないんですよね。ここは消えていた方がいいってシーンでも、何でそこでハンサムな顔してるの?みたいな(笑)

ハンサムって威力もあるけど、演劇的にはきちんと役作りから入るとか、
本を理解するところをより深くやらないと、この世界観に浮いちゃう可能性もある。
そこにいくと、やっぱり味と技量で勝負してきたベテランの人達ってすごい(笑)

今回、矢崎もそうだし、若いイケメンの俳優さん達を見ていて、ある意味ハンデかなとも思います。でも、ハンデだからこそ、この世界観の中で自分が生きるためにはどうすればいいか?というのを考えないといけない。
でも、それがハマった時、逆にハンサムはめちゃめちゃ活きますから。今回はそこを目指してもらえたらと。」
 

矢崎広
「頑張ります・・・!」
 
 
稽古の雰囲気はいかがですか?
 
矢崎広
「今回の稽古場は、素晴らしい先輩方がいっぱいいます。
日々稽古を積むことで、自分の中でもお芝居に対する考え方が変わってきている状況です。自分は、至らないところばかりなんですが、役者としては充実している幸せな稽古場だと思っています。」
 
 

河原雅彦
「やっぱり稽古場が一番。演出上、ある程度の作戦は練ってきますけど、稽古場で役者さんからもらうアイディアは大切なので。彼は真面目だから、稽古場でも台詞をブツブツ言ったり、物憂げな顔で芝居のこと考えてる(笑)

主演って、現場の居かたが大変なんですよ。主演がナーバスになると、現場がナーバスになる。やっぱり、この芝居は一筋縄ではいかないので、ナーバスにもなると思うんですけど、主演たるもの現場の雰囲気づくりをちゃんとしないとならないわけです。彼もすごく考えて意識していると思います。

その中で、彼でやる「黒いハンカチーフ」が稽古場で徐々に見えてきていますね。」
 
  
矢崎広
「ありがとうございます。」
 
 
インタビューに答える矢崎広、河原雅彦

 

共演者の方々について
 

-今回、初演で主演を演じられた三上市郎さんも共演されます。
 

矢崎広
「プレッシャーもありますけど、心強さもあります。」

 
河原雅彦
「今回、三上さんは詐欺グループを捕まえる枯れた味わいに満ちた老刑事役だったり、普段カチッとした印象がある伊藤正之さんは、ものすごくチャーミングなヤクザ役だったりで見所満載です(笑)
この作品は巨大な敵を小粋に騙すところが面白くて、役者全てが魅力的にみえるのがすごく重要です。敵は怖い方がいいし、憎い方がいい。悪い奴であればあるほど、見ている方は痛快なんですけど、まぁ、鳥肌実さんはそれにふさわしい(笑)この役を、一生やればいいと思えるほど当たり役です(笑)」
 
 

矢崎広
「鳥肌さんは、僕も出会ったことがないタイプの人です(笑)すごくチャーミングでかわいい方で、いい隙があり、付け入る隙がないわけではないです。」
 

河原雅彦
「鳥肌さんは眼隠ししたままの闘牛というか・・・わりと避けるのは簡単です(笑)」
 

最後に観ている方にメッセージをお願いします。
 
矢崎広
「黒いハンカチーフという作品の時代に、お客さまをタイムスリップさせられたらと思っています。僕と同世代位のお客さまもいるでしょうし、また、僕より若い人も見ると思うので、日常とはまた違った昭和のエネルギッシュな時代を使ってのエンターテインメントを楽しんでいただきたいと思います。」

 

河原雅彦
「この作品は、とても上質なエンターテインメントです。
メッセージ性とかそういう風なことではなく、シンプルに観る人が楽しんでもらえるものになればいいし、それを心掛けています。
矢崎もチャレンジしているので、多分お客さんが観たことのない矢崎が見られると思います。」

 
 


 
お2人の話を聞いていて、作品が持つ躍動感とともに、
その結末に期待が膨らんだ。

昭和のエネルギーに溢れた作品が、今、どのような形で蘇えるのか?
舞台上で繰り広げられる騙し合いを、我々観客にどのように見せてくれるのか?
是非、昭和のエネルギッシュな時代にタイムスリップし、
大いに騙されてみてはいかがだろうか。

本作は10月1日(木)~4日(日)まで、新国立劇場 中劇場で上演。

 
詳細は公式サイトで。
舞台「黒いハンカチーフ」公式サイト
チケットぴあで購入

 

(撮影・構成・文:長谷川美津子/エントレ)


公演情報
舞台「黒いハンカチーフ」

【作】マキノノゾミ【演出】河原雅彦
【出演】矢崎広、いしのようこ/浅利陽介、橋本淳、松田凌、桑野晃輔/村岡希美、宮菜穂子、まりゑ、武藤晃子、加藤未和/吉田メタル、鳥肌実、神農直隆、高木稟/三上市朗、おかやまはじめ、伊藤正之

2015年10月1日(木)~4日(日)/新国立劇場 中劇場で上演

舞台「黒いハンカチーフ」公式サイト

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この記事を書いたのは

長谷川美津子
エントレのライター。 撮影・編集・記事など、いろんなことを担当。 舞台・映画・音楽・漫画、子供好き。ベルばら検定2級。

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