2015.9.3  111

井上芳雄×和音美桜 ミュージカル「パッション」制作発表/一途で激しい愛の物語


パッション 製作発表
ミュージカル「パッション」の制作発表が行われ、出演者の井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一が登壇して舞台への意気込みを語った。

 
「パッション」は巨匠と呼ばれるスティーブン・ソンドハイムによるミュージカル。1994年にブロードウェイで初演され、トニー賞4部門に輝いた傑作だ。舞台は19世紀ミラノ。騎兵隊の兵士ジョルジオ、その美しい恋人クララ、そしてジョルジオに恋する病弱な娘フォスカの3人を巡って、めくるめく男女の愛が克明に描かれる。

こちらの制作発表が都内で行われ、演出の宮田慶子、音楽監督の島健、出演者の井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一が登壇した。
以下の動画はこちらを収録したもの。【動画17分】

 

テーマは一方的で強引な愛

ミュージカル「パッション」制作発表

宮田慶子(演出)
「新国立劇場では以前にもソンドハイムのミュージカルを2回やっておりまして、「太平洋序曲(00年、02年)」、「Into the Woods(04年、06年)」が両方とも宮本亜門さんの演出で上演しました。Into the Woodsの上演が2006年なので、ちょっと間が空いておりまして、よくお客様からミュージカルはやらないの?というお声を頂いておりました。
そこで、何かいいものはないかと探していたところ、ソンドハイムの作品の中で、まだ日本でやられていない作品があるということに気づき、早速動き出したというわけです。」

作品について
「これは、原作がイタリア映画の「パッション・ダモーレ」という作品なんですね。これを元にソンドハイムさんたちがお作りになったミュージカルなんですが、アメリカから台本や楽譜が届く前に映画を観てみたんですね。そしたら衝撃でしたね。まず、ヒロインのフォスカが病弱で美しくない、という、普通のミュージカルではあり得ない設定なんですね。それから話がとにかく怖い。ジョルジオをフォスカが追っかける。執拗なまでに追いかける。一途といえば一途なんですけど、受けているジョルジオの方は全くの有難迷惑みたいな。女性が愛を貫く執念のお話なんです。」

ミュージカル「パッション」
ミュージカル「パッション」メインビジュアル 撮影:熊谷仁男

音楽について
「そして、楽譜や音源が届いて聞いてみたら、これがまた難しい! ご存知のようにソンドハイムは現代ミュージカルの最先端を走ってきたような方です。なので、いろんな音楽的なトライもしていらっしゃいます。現代の社会や、人間の複雑さを描こうと挑戦なさったときに、現代音楽に近いような複雑な旋律も出てくる。ただし時折、身も心もとろけるほどの美しい旋律が出てくるんですね。ここに見事にハマりました。」

作品のテーマについて
「とにかくテーマは愛です。フォスカの一方的な強引な愛。きっと観客も「それ無理だよ。叶わないよ。」と突っ込みたくなります。でもこれが、一途に一途に突き進んで行って、自分の思いを遂げた姿を見たときに、無理だよって言ってあきらめてきたことって、人生の中でいっぱいあったんじゃないかな・・・って、気づかされます。
それから近頃は恋愛しないっていう若者が増えていて、恋愛はリスクが高いとか、コストパフォーマンスが悪いとかひどい言い方をしていて。そもそも恋愛をゲーム感覚でしかとらえてないんですね。
このミュージカルは見事に「恋愛はゲームじゃない」ということを教えてくれます。改めてそこに気づかされますので、是非とも若い人たちにも見てほしいと思っています。また、大人のハートを鷲づかみできるようなミュージカルらしい舞台にしたいなと思っています。」

 

難しく、素晴らしい楽曲

ミュージカル「パッション」

島 健(音楽監督)
「僕はソンドハイムの作品は初めてで大変光栄ですが、なかなか音楽が難しいです。誰でも口ずさめるようなメロディはほとんど出てきませんし、伴奏を聞いているとかえって歌えなくなってしまうような。不協和音とかも出てきますので、キャストの方にはとても難しい音楽ですが、よく追及していくと、作品の内容をよく表現している素晴らしい楽曲ですので、完成がとても楽しみです。」

 

想像以上のものになる手ごたえ

ミュージカル「パッション」制作発表

井上芳雄
「大学生の時にこの新国立劇場でチケットもぎりのバイトをしていました。いつかここでやりたいと思っていたので、「負傷者16人」という舞台でストレートプレイでは出させて頂きましたが、ミュージカルとしては初めてなので、とてもうれしい気持ちです。一筋縄ではいかない愛の話です。本読みをやってみて、このお話がお客さまにどう伝わるのかがよくわからないと思いました。でも、反応がわからないものをやれる幸せっていうか、きっと自分たちの想像以上のものになるんじゃないかなという手ごたえも感じています。」

 
パッション製作発表

和音美桜
「私も新国立劇場の舞台は初めてなので楽しみです。難しい楽曲に立ち向かって頑張って形にしたいと思います。私が演じさせていただくクララは、みなさんが感情移入しやすい人物だと思うので、そこを追及していけたらいいなと思っております。」

 
ミュージカル「パッション」制作発表

シルビア・グラブ
「私は、ソンドハイム作品は3作目です。「COMPANY」という舞台が最初で、その後「Into the Woods」という作品に出させて頂いたんですけど、まあとにかく難しい。それは覚悟の上だったんですけども、「Into the Woods」の時に毎晩うなされていたんですね。早速今回も毎晩のようにうなされています。ソンドハイムというのは、作曲家ではあるんですけども、その前に作詞家ということで、心情・言葉をどう音楽に乗せるかという天才だと思うんです。ドラマを音楽に乗せるということで、お芝居により近いミュージカルになると思うんですけど、だからこそ難しいと思うんですが、(井上に向かって)これができたらいいよね。複雑で大変かもしれないけど、愛することの素晴らしさを伝えられたらいいなと思っております。」

 
ミュージカル「パッション」

福井貴一
「これみんな、難しい難しいって言ってますけど、こう考えてもらうとわかりやすいんですけどね。一世代前のスナックでオヤジがカラオケが鳴ったとたんにキー外したりすることありましたよね。「あっ、それキーちゃうで、キーちゃうけど・・・、あ、合ってきたな。」そういう感動があるんですよね(笑)。カタルシスがあるんですよ。その後にまたもうちょっと外してほしいな、と思うようなね。余計にわからんようになりました?

シルビアは言葉って言ってましたが、言葉の裏にある感情ですよね。それが見事にリズムとメロディに乗っているんですよ。主旋律と半音違って歌っているのは、それとは違う感情で歌っているからなんですよね。言葉を超えた感情を歌っていると僕なんかは思ってしまって。やるのは難しいけど、聞くのはいいですよ。昨日みんなと本読みをやって、僕は「ああ、これはええ作品やな」と感動しました。なので、お客様には感じてもらえるミュージカルになると思います。」

ミュージカル「パッション」制作発表


一筋縄ではいかない愛の物語。複雑なメロディという話だが、このキャストならきっと見事に歌いこなしてくれるに違いない。
10月24日(土)と、10月29日(木)に東京での追加公演が決定したとのこと。関係者によるとチケットはかなり売れているとのことだったが、追加公演チケットの取得に挑戦してみてはいかがだろうか。

詳細は公式サイトで。
ミュージカル「パッション」公式サイト
ぴあでチケットを購入する

(撮影・編集・文:森脇孝)

 シェアする

 ツイート

 シェアする

 


公演情報
ミュージカル「パッション」

【作曲・作詞】スティーブン・ソンドハイム
【台本】ジェームス・ラパイン
【翻訳】浦辺千鶴 【訳詞】竜真知子
【演出】宮田慶子
【出演】井上芳雄 和音美桜 シルビア・グラブ 福井貴一 他

2015年10月16日(金)~11月8日(日)/東京・新国立劇場
2015年11月13日(金)~11月15日(日)/兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

ミュージカル「パッション」公式サイト
ぴあでチケットを購入する

関連記事

最近の記事


 ≫もっと見る
 

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2019 Village Inc.
劇団BDP ミュージカル『KUSHINADA』