2012.12.6  1

クォータースターコンテスト/げきぴあ賞 選評全文掲載


演劇ぶっくとエントレが共同主催し、
15分の演劇動画を競う「クォータースターコンテスト」。

げきぴあさんが提供してくれた
げきぴあ賞の選評の全文です。

げきぴあ賞:切実『つばめ』

「演劇を15分の動画で見せる」というこの企画がキッカケで、「演劇」と「映像」の違いについてあらためて考えてみました。
俳優が演じる、という点においては演劇も映画も同じです。
普通に考えれば、俳優が演じている姿を生で見れば演劇、スクリーン(画面)を通して見れば映画と言えなくもありません。
でも、その境界線は実はとても曖昧なのかもしれないと・・・。
画面を通して見せる“演劇”をどう成り立たせるのか?工夫を凝らした多くの作品を観ればみるほど、本当に悩んでしまいました。
難題ともいえるこの企画に、果敢に挑戦してくださった投稿者のみなさまには心から敬意を表します。

さて、悩みに悩んだすえ「げきぴあ賞」は切実『つばめ』に決定いたしました。
受賞理由としては、まず、ふじきみつ彦氏の脚本が抜群に上手かったこと。
15分という短い時間の中で、導入からオチまで無駄がなくしっかり計算されて作られたという印象でした。
カメラの位置はほとんど動きませんが、逆にそこが舞台を観ている感覚と重なり、
映像で見せることを意識した“演劇”とは、まさにこういうことなのではないかと感じました。
キャストは、演出も兼ねている岡部たかし氏、ハイバイの永井若葉氏ら現在活躍中の俳優4人です。
物語は、人道的な人助けをしたお人好しな親戚夫婦のもとに、助けられた側の兄弟が礼節をもって御礼に訪れますが、
ちょっとした“失言”から次々と無礼な発言へとエスカレートしていくというもの。
どんどん深みにはまっていく人たちの様子がおかしくて、幾度となく思わず声を出して笑ってしまいました。
非常に面白かったです。
なお、若干の補足ですが、すでにプロの仕事の域である本作は別格扱いにしたほうがよいかとも考えたのですが、
そもそもプロアマ問わずの公募なので、最終的にもっとも面白いと思った作品を選ばせてもらいました。

なお、今回は残念ながら選外となりましたが、いくつか印象に残っている作品について追記しておきます。
野外ロケで撮影した超歌劇団『神の怒りにふれろ』は、川にダイブやロケット人間花火など体を張った俳優の演技に驚きましたが、
こんなハチャメチャっぷりも演劇らしいなと思いました(ただし危険な行為はほどほどに)。
シャモニーマンション「明日は?」はモノローグが不自然にみえないアイディアが良かったです。
河西裕介(国分寺大人倶楽部)『バースデー』は動画だからこそ成立した面白い仕掛けでした。
他にもミュージカルやシリアスな人間ドラマなど、作り手のこだわりを感じさせる動画が多数ありました。
すべてご紹介できないのが残念ですが、これを機に、また新たな演劇制作に取り組んでいただければと思います。

げきぴあ編集部
金子珠美

 


クォータースターコンテスト 結果発表

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